長考反対キャンペーン

※かなり記事が古くなったので加筆修正しました。

ボードゲームをやってるとついつい忘れがちな事があります。
それは自分の手番をやっている間、皆を待たせているということです。それはどれくらいが適当でしょうか?
ゲームによると思いますが、毎回毎回たくさん待たせられると疲れる事があります。

ボードゲームは一人では出来ません。テンポ良くプレイするなどゲーム全体の場を考えるともっと楽しいセッションになると思います。
皆で時間を共有しているということを忘れてはいけません。
もちろん初心者のいる場では、それとなくアドバイスする雰囲気に、まったりとゲームをしたい場にはまったりと、その場その場の雰囲気にあわせてゲームを楽しめばいいと思います。カツカツの競技プレイヤー同士の対決なら、ガチンコで長考するのもおもしろいかも知れません。もちろん皆がそれでいいと暗黙の了解を得ればの話です。

ただ基本的な考えとして、適度な思考時間は周りを不快にすることなく、自分の鍛錬にも繋がります。
長考をせずゲームをするコツは、相手の手番に自分のなすべき事をいくつか考えておく事です。場が変わったらすばやく対応できる瞬発力を身につける事は決断力のアップに繋がります。

IT管理職の決断力をあげる方法にインバスケット法という鍛錬方法があります。次から次へと問題を出していき、それを短時間のうちに判断して決断をくだしていくという方法です。

あまりにも時間がかかって結論が出ないときは、適当に打つ勇気も必要かも知れません。あるいは私が長考している者によくやる手ですが「何で悩んでるねん?」と訊きます。ほとんどの場合「こことここで悩んでる」なんて返ってきます。そこでそれとなくアドバイスする事で解決してしまいます。

大切なのは皆と共有する時間をいかに楽しく過ごすかなのです。それは他人を待たせないという個人個人のマナーが大切になってきます。そこから挽回するのも腕の見せ所です。きっとチャンスはまたやってきます。
ただしここが勝負所ってタイミングがゲーム中必ず1度や2度出てきます。そのときには考える、考えるのを待ってあげるのがマナーだと思います。ここでいう長考というのは毎回毎回待たされる、自分の番になってようやく考え始める、そういった事を指しています。

もし長考してしまうからゲームには参加しない方がいいだなんて言い出す人はいますか? もしそうなら謝っておきます。しかし意識する事によって確実に短くする事はできますし、気を遣ってくれているという思いは他人には伝わるもので気分を害する事はあまりないでしょう。できるできないに関わらず、大切なのは相手に対する気遣いを忘れて欲しくないという事です。ゲーム会などでは、初心者マークなどをつけて区別するのはとてもいい手かも知れません。

ゲーム時間の目安として基本的に二人用ゲームは30分、多人数は60分くらいで終わります。メーカーもそれを基準にしてゲームを調整しています。パッケージにプレイ時間を書いているのと、ほとんどのサイトでプレイ時間を書いているのには訳があります。それくらいプレイ時間について皆が興味を示している証拠でしょう。

ゲームは勝つためにやるのではなく、皆と時間を共有し、楽しむためにやるものというのを念頭に入れてください。競技プレイではありません。何故なら将棋のようなアブストラクトと違いドイツゲームには運の要素をわざと介在させています。これが競技プレイに向かないという理由です。ガチンコ勝負したところで、所詮は運が入っているのです。

ひとつのマナーとして少しだけ考えてみてください。ボードゲームは対人関係が重要となりますので、他人に気遣いしようとするスキルは必要です。あるなしではなく、それを得ようとする事が大事です。もし得ようと思わなければずっと変わらないままでしょう。少しストレスはかかるかも知れませんが、がんばって欲しいものです。こうして対人スキルを磨くのは良いことだと思います。

もうひとつ、プレイヤーという言葉を考えてください。直訳すると遊ぶ人です。これを日本語にするとなんとなるでしょうか? 選手です。そう、日本は戦争に負けてから、白人に体力で対抗するために体を鍛え始めたんです。体育という言葉はそこから生まれています。だから日本ではスポーツをやるイコール身体を鍛えるものと思い込んでしまいました。読んで字の如く選ばれた人しか出来ないのが選手です。ジムとかでもストイックに筋トレに励んでいる人がいますよね。
スポーツという語源は元はラテン語のportare【運ぶ。持つ】という言葉の反意語でした。職を手から離す状態つまり遊びや楽しむ事をスポーツと言ったんです。だからそれをする人もプレイヤー、遊ぶ人となった訳です。日本では選ばれた人がするのがスポーツですが、ドイツでは体に障害を持つ人も、日本なんかと比べものにならないくらい同じようにスポーツを楽しんでいます。選ばれる必要はないんです。楽しむのがスポーツなのですから、ジムには喫茶室やビールなど飲める施設となっているようです。中にはそこで出会った男女が結婚式をあげる事もあるようです。
おそらく長考するプレイヤーは勝つ事に対して熱心すぎるのだろうと思います。もっともっと楽しく遊びましょう。

※ポルターレ、皆がよく知っている言葉ではポーターがあります。ポーターはまさに運ぶ人です。

わたしが社会人になってアイスホッケーチームに入ったとき戸惑ったのは、学生時代体育会でやってたように無我夢中でやればいいのか、それともだらだらと遊べばいいのか。その答えを先輩が教えてくれました。「遊び半分、本気半分でやれ」と。だらだらと負けてもええやという気持ちでやり続けるのはとてもつまらないんです。また本気過ぎるのも生活がかかっていないのにおかしな話です。本気は生活がかかる会社でこそ発揮されるべきです。ここにわたしのゲームの接し方がありました。遊び半分、本気半分。勝つ事に本気過ぎて長考しすぎたり、鼻持ちならない自慢をする事を戒め、たかがゲームやし負けてもええやと適当にやる事も戒めています。勝ち負けがあるからこそ楽しいことも教えています。それはすなわち他のプレイヤーとの接し方のマナーそのもののような気がしています。
またこの人と遊んでみたいと言われるようなプレイヤーになりたいものです。そういったプレイヤーこそが真の勝利者だと思います。

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