Karol Madaj
Instytut Pamieci Narodowej
2〜5人
60分
コレイカ
トイレットペーパーやバターを買うために何時間も列に並ばなくてはならない――そんな共産党政権下のポーランドの「退屈な日々」を追体験できる「モノポリー」風ボードゲームの日本語版が、間もなく発売される。
制作したのはポーランド政府機関で、近現代の歴史を記録しナチス・ドイツ(Nazi German)政権下と社会主義時代の犯罪を訴追する「国民記録機関(IPN)」だ。
AFP
より
プレイ感
ポーランドの国民記録機関が作った社会主義体制下での行列を体感できるボードゲーム。そういう異色の経緯があって話題になってた。タナカマ邸に行ったときにやってみたいとリクエスト。タナカマ夫妻、オビ湾との4人プレイにて。
最初に各プレイヤーが集める品物が描かれたカードを貰う。そこには生活品4個、電化製品3個、食料品2個みたいに勝利に必要な品物の数が描かれている。カードは全て違っており、5種類あるうち4種類が4,3,2,1という数になっており1種類は集めなくてよい。また各自同じ内容のカードデッキを作る。これでゲームスタート。
手札は3枚。そして目的となる買い物リストカードがある。
スタートプレイヤーから順番に、5カ所ある(2対1トレード出来る闇マーケットもある)場所で、並びたいお店に駒を置いていく。それが終わると商品入荷をおこなう。どこに商品が置かれるかを商品カードを2枚めくって決めるのだ。つまり2カ所しか商品は入荷されないという事で、最大でも3つしか商品は置かれない。
こんな風に1個ずつおいていき、どこに配給されるか解らないお店に並べていくのだ。そして一番最後にノンプレイヤーキャラクターである黒駒がおかれてゲームスタート。
商品は並んだ順に手に入れるので、この少数入荷に対して非常に熱い駆け引きが行われる。というのは、カードでいきなり先頭に出たり、前後の順番を入れ替えたり出来るからだ。
そして商品カードを買えた駒は手元に戻りを繰り返して商品がなくなるまで繰り返す。これで1ラウンド終了。
次ラウンドは、並んだ人はそのままにしておくか、手元に回収するかをして続けていく。
手に入れたカードはすべて絵柄が違っておりいかにも社会主義国家らしき商品である。色毎に種類が分かれている。ゲームウォッチがあるw
基本構造は非常にシンプルで、商品は常に不足しているあたり社会主義国家の買い物事情そのまんまで笑える。なんつっても並んでても2カ所しか配給されず、さらに2人くらいしか買えないんやから。
タナカマ「じゃ、このカードを使って商品カードを貰って戻ります」
一番前に並んでいたタナカマの駒がわざわざ即座に買えるというカードを使ってカードを取っていった。
わし「なんで? 待っとけば一番最初に貰えるやん」
タナカマ「やってみれば解りますよ。確定させたかったんです」
次に2番目に並んでるわしがカードを貰おうとすると…
タナカマ嫁「じゃ、このカードであきおさんと順番を入れ替えて、カードを貰います」
なぬー!!
わし「待った待った、わしもこのカードをつかってさらに戻って手に入れる」
オビ湾「そこで僕がさらに前へ」
わし「待て待てー、じゃ、このカードで」
とこんな感じで恐るべきカードの応酬が始まる。
通りでタナカマが確定させたかったのが解る。一番前にいたとしても、油断も隙もない。
こんな風にたくさんの配給が決まったところへは大量の行列ができる。ここからかなり熱い駆け引きが行われる。
一応カードは1ラウンドに3枚までしか使えず、序盤に使ってしまうと、カードの補充が遅れるので考えて使わねばならない。
共産党からの情報というカードで、次に支給される場所が解ったりすると、そのプレイヤーを徹底マーク。もちろん自分がそうであった場合は、いかに隠して並ぶかのテクニックが問われる。
オビ湾「このゲームのきついのは、合計配給数とプレイヤーが求める数がぴったり同じという事なんです」
わし「別にぴったりやったらええと思うけど?」
タナカマ「こいつらが居るんです」
1ラウンド目に並んだ後に、黒い駒が一番ケツに置かれる。こいつらはノンプレイヤーキャラクターで、自分らが手に入れたものを闇マーケットに流す役割をしてる。
闇マーケットに流れたものは(もちろんそこにも並んで)、2対1でトレードする事が出来る。2枚で自分の欲しいのが1枚だ。ゲーム中の合計配給数がぴったりという事は、商品は常に不足するという事である。
闇市では白の駒で現在交換出来るカードを現すので、不要な場合は後ろの人に順番を譲ればよい。
わし「社会主義、恐るべし」
こういった熱い行列の戦いを繰り返し、他のプレイヤーからノーマークだったわしが、そのまま目的のカードを全て集めて勝利。
所要時間50分
よっしゃあ! 全部集まった。1枚余分に手に入れたのは闇市用に確保しといたやつ。
オビ湾「こんな風にあっさり決まる事もあるんですね」
わし「え、どゆこと?」
タナカマ「結構、混戦になって決まるのが普通なんです」
ソマーリオ
まさに行列というタイトルのとおり、社会主義体制下での商品配給の厳しさをたっぷりとコミカルに体感できる好ゲームやった。
カードの効果がかなり派手で、相手プレイヤーとの読み合いに重点がおかれたゲームである。カード枚数が少ないのでしっかりとカウンティングする事が大事だ。
さらにどのタイミングで出すかの判断がこのゲーム最大の楽しさに繋がっている。
カードには古くさい洗濯機やたばこ、妙な人形など、当時ポーランドで手に入れる事ができた商品の写真が1枚1枚違っており、見てるだけで楽しくなってくる。妙に昭和の香りがする商品なのだ。
コンポーネント全体からも社会主義国家臭がぷんぷんする。
単にポーランドが作ったゲーム、社会主義体制下での配給がテーマという話題先行だけではなく、テーマとシステムが完璧であり、ゲームとして捉えてもおもろかった。
説明書は日本語を含め各国語対応しており、メーカーがメーカーだけにポーランドの国家プロジェクトで予算組んでるんじゃないかと笑いながら話をした。
このシステムで許可を取ってUSJやTDL、万博、はたまたラーメン屋などにローカライズするのも面白い。行列は至る所にあるのだ。
gioco del mondo