Stefanie Rohner
&
Christian Wolf

HABA

2〜4人用
30分

クロンダイク

1848年。アメリカ西部に砂金を求めて多くの人が集まった。
しかし砂金を手にして大金持ちになったのはほんの一握りの人であった。
一番利を得たのはガリンペイロを相手に商売を始めた商売人である。
アメリカはこのゴールドラッシュにより、西部開拓史という夢見る時間を手にした。
あなたはガリンペイロとなり、大金を手にすることが出来るだろうか?

プレイ感

子供ゲーム大賞を受賞して、いかにもコンポーネントがおもろそうなのだが、あまりにも値段が高くて買わずにいた。TAMがずっと昔に買うてたのを思い出し、ちょっくら持ってきてもらうことに。TAM夫妻、タカダとの4人プレイにて。


手番に3個ボールを取り出し、全部砂金ならそのままゲット、じゃなければみたまんま、鉄皿の上に砂金とそれ以外を選り分けるだけだ。灰色の玉はアライグマ駒を貰い、アライグマを持ってる人は誰かが3個とも砂金の場合、1つ貰える。これだけじゃただのアクションゲームなので、誰かが選り分けする場合、何個砂金を残すかを掛ける(砂金1〜3)のだ。いくら選り分けが上手くても、勝てないように出来ている。

とまあ、これは子供用バージョンで5分でタカダくん破産でTAM嫁勝ちで終わった。そして今度は大人バージョンで、権利書と無制限に掛けられるバージョンをすることにした。このバージョンのポイントは、砂金が無くなったら、権利書で一番いっぱい持ってる人に5個交換してもらってゲームが継続できるところと、もし賭けに負けて砂金が払えない場合、逆に全て総取りするという恐ろしいルールが加わる。つまり銅元(手番プレイヤー)の懐状態を見とかないと駄目なのだ。


リアルな砂金取りのように、金属皿の上をグルグル回す。黒は泥、金色が砂金である。これだけを残すようにするのだ。灰色はアライグマのマーク。

砂金の洗い出しは、TAM嫁はやたらと上手い。しかし上手いだけではこのゲームは勝てないのは上記のとおり。わしの番。砂金2に泥1。皆、いっせいに賭ける。

ざらざらざらぁ〜(そのまま皿を全部、ひっくり返す音)

皆 ぽか〜ん

TAM「こ、この人は!!」

タカダ「ま、まじっすか?」

しかし、その中で、こっそり0に賭けているTAM嫁の姿があった。

恐るべし。


周りのロープで、コマが転がらないように配慮され、他の用品も木製や金属を使い、コンポーネントは素晴らしいの一言。木製のケースは掛け金を入れる場所。左下のカードは上級ルールで使う土地権利書。

しかし、二回目からはまじめに取り組む。なんつってもこの選り分け自体が楽しいものなので、ゲームの勝ち負けよりもくるくるくるくる回したくなるのだ。

うぇ、やべぇ。砂金よりも高回転で回る泥。

そうなると皆、かなり焦りだすのだ。

また縁には微妙にくぼみがあって、このゾーンでかなり粘る。相当な回転を与えて、ポーンと弾きださせないといけない。そのとき、周りの皆も賭けているので(落ちろ、落ちろ)とか(まてまて、泥の回転が速い)とか念じに念じる。相手の手番も気が置けないのだ。

気がつけば、相変わらず金に汚いTAM嫁が砂金を山積み。このままでは負ける。

タカダ「これ、皆でごっそり賭けんとどうしようもないですよね」

わし「そらそうやねんけど、ごっそり賭けたとして、誰かが負けたらそこから支払われるわけやから、結構むずいで」

TAM「あ、そうか。皆が同じのに賭けて、さらに勝たんとあかんのか」

むー

そして砂金2泥1の運命の選り分け。ぐるぐるぐる回すTAM嫁。

わしら(……)

わしら(……)

ころんと、泥が落ちた。

全員、賭けカードをめくる。

全員、2個。

やったー!!!

全員の思いがシンクロして、ゲームは振り出しに。

次はタカダだが、もうほとんど終わり(袋の中の玉がなくなると終わり)なので、勝つためにはそれなりに賭けなければいけない。

しかし恐ろしいのは、さっき13個も負けたTAM嫁だが十分勝てるに必要な数がまだ残っている。

そして、タカダ運命の選り分け。

砂金2個。

カードをめくると全員2個。

やったー!

…と思いきや、なんとタカダ、全員に払う砂金がない。

つまり、全部総取りである。

まじでーー!!

所要時間30分 タカダ逆転勝利。


ごっそーんと、タカダ、ゴールドラッシュの覇者に!

ソマーリオ

子供ゲームなのだが、大人も同じように楽しめるシステムになっている。誰もが見たまんまわかる砂金取りとう行動をゲームとして機能させ、よく工夫されてると思うのは、アクションが苦手であってもイコール負けになるという訳ではないという事と、相手の手番にも同じように集中してゲームが出来るところである。長考ゲームにありがちな欠点は、相手の手番にやることがないというもので、クロンダイクはこれを上手くクリアして、ゲームをやってる全員との一体感を感じることが出来るのだ。これは子供ゲームにとっては特に重要なことだ。

クロンダイクは大人でも子供と同じように楽しむことが出来る。記憶ゲームでないのも素晴らしい。この時代の子供ゲーム賞は、ドイツゲーム大賞の特別賞という位置づけであったのだが、これはなかなかにいいものを選んだ。

残念なのはその価格。現在日本の流通価格は7120円という高額なものである。

gioco del mondo