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Prospero Hall
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Hurrican
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2人
45分
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ケロ
駿河屋で購入
2471年6月、ケロシン ― 通称「ケロ(KERO)」 ― は極端に欠乏していた。
君がすべきなのは、この貴重な燃料を見つけて貯めておくことだ。
今、二つのクランが生き残りを賭け、手つかずの資源と日々の生活の向上を求めて新たな領地を探す競争をしている。
いったん燃料トラックがキャンプを出たら、常に燃料切れのリスクが伴う。
相手のクランがそれほど遠くない場所で同じ資源争いをしているのであればなおさらだ。
「バッドマックス2471」の称号を手に入れることができるのは誰だ。
プレイ感
なんか変なゲームがある。内容を読んでみると、これどう読んでもマッドマックスやんけ!ちゅうわけで予約してみた。本来ならいつも二人用ゲームはmiaとやっていたのだが、用事で下の子と外出したため、8歳コタとやってみることにした。
一言で書くとリアクションサイコロゲームである。
砂時計内蔵のトラックをひっくり返して、その砂時計(つまり燃料であるケロ)が完全に落ちきる前までサイコロを何度も振るのだ。
手番は複数に分かれている。まずはケロの補給フェイズで、ジェリカン(ポリタンク)を1個支払うと、トラックを下向きにして燃料補給できる。時間は相手が8個全てのサイコロを何度も振り直してファイヤーの目にするまでだ。
基本的にファイヤーの目が出るとロックされてそのサイコロは振り直しができなくなる。
ボードにすべてのモノが置ける。一番左がトゥアレク族、その横が探索者、下にジェリカン置き場である。共通の場として真ん中に4枚の新天地タイルがあり、右側には6枚のカードが並べられている。
次にメインであるサイコロを振るフェイズだ。トラックをひっくり返して白5個のサイコロを好きな目が出るまで(ファイヤーはロックされる)何度も振り直す。その際、ジェリカン1個支払う毎に色付きのサイコロを追加で使う事ができる。色付きのサイコロには特徴があって色によって出やすい目がある。
好きな目が出たら、そこで振るのを辞めてトラックを水平に戻す。ちなみに完全にケロが落ちきってしまうと、手番は強制終了、代わりに白5個で燃料補給ができるだけとなるので、落ちきる前までに水平に戻す必要がある。バッドマックスの世界では燃料切れは死に値するのだ。拳法の達人がいてもあかんてことだ。
それから出た目を使い、カードを買うたり、新天地に人を送り込んだり、トゥアレク族(特殊効果)を雇ったりする。ジェリカンの目以外は、次ターンの持ち越し不可だ。
トラックの砂時計を立てて、ひたすらサイコロを振りまくる。自分の気に入った目がでたら、すぐにトラックを水平に戻してケロを節約すること。
最後に補充フェイズとして、このターンでファイヤーの目が2個以上でたら一番右端のカードを1枚捨て札にし、カードを右端に寄せて6枚になるように補充する。
補充するときに、占有カードがでたらすぐに決算処理に入る。新天地タイルに載せている人駒が多い方がそのタイルを貰える。それから全てのタイルを廃棄して、新しい新天地タイルを並べる。
決算は3回あり、3回目の決算でゲーム終了。新天地タイルやカードに書かれている勝利点を合計して勝敗を決める。ただし、3回目の決算が先行プレイヤーの終了時に起きた場合、後攻が1手番不利となるので、その場合は、決算処理を終えてから追加の手番を後攻プレイヤーが行う。新天地カードは無いので、人を2個置くと3点、1個置くと1点のマスができる。最高で4点入るということだ。
ファイヤーの目はロックされる。今回は雇用の目を2個で、この勝利点1のカードを購入した。このカードの効果ですぐに新天地タイルに探索者駒を置く。ジェリカンはタイルを即座に貰えるが、残りの鉄は1個では役に立たず、捨てるしかない。
先攻はわしから。
一番最初に、どういった目が必要かをなんとなく眺めておく。例えば今回は小麦2で買えるのが2枚あるとか。
それからトラックを立てて探索開始。
サイコロを5個受け取って振る。振る。振る。
途中でファイヤーがでたら取り除いて、振る。自分が気に入った目があったらそれも取り置きして振る。
わし「よし、これでええ」
トラックを水平に戻す。結構ケロ使ってしもうた。
そしてサイコロの目を使ってカードを取っていく。カードにも勝利点があるし、何より色付きのサイコロが貰えるとか永続効果のあるカードがあるのだ。コストは高いが是非とも狙いたいのだが、気に入った目がでるまで振るとケロの消費が大きくなる、ばかりか下手したらファイヤーがでてまったく無意味となる。
ジレンマである。
これが占有カード。一旦ゲームを止めて新天地の決算を行う。ゲームを早く終わらせたければ、カードをどんどんと買うたり、ファイヤーの目を2個以上出して捨てていけば良い。一番上にちょろっと見えてるのが永続効果のあるカードを購入したときにいちいちカードを見なくても分かるようにするタイルだ。雇用3の目で買える緑のカードの右上に∞マークが描かれているが、これが永続効果のあるカードだ。
こた「あ、ちょっとまって。もっかい、もっかい」
とコタローも同様にプレイを行う。
2ターン目のわし。
わし「んー、ケロが見えん。これはどれくらい残ってるんやろ」
トラックの後ろ側は覆われているので砂時計の全容がとても見えにくいのだ。
なんせ手番強制終了するのは困る。
わし「補給」
このゲームで一番重要なジェリカンを消費して燃料補給する。
コタローはガンガンとサイコロを振っている間に満タンとなった。
トラックは逆向きに立てる事はできないので燃料補給はこのようにして行う。
さすがに8個やとなかなかファイヤーが出揃いにくい。
ちなみに最後の1個が残ったら5回振ったら終わりというルールもある。
さて、ここで最も欲しいのは色付きサイコロの永続条件がついたカードだ。色付きサイコロは数が増えるばかりでなく、1つの目にマークが3個書いてあったりするのでめちゃめちゃ強い。これが毎ターン入るのは大きなアドバンテージとなるだろう。
またもうひとつ重要なのがいわゆる特殊カードにあたるトゥアレク族タイルである。こいつは手に入れるまではどんな効果があるかわからないが、好きな資源2になるってのを手に入れている。これを使えば、楽に永続効果サイコロを手に入れられる。
わし「よし、どっちにしよかな」
今、場に出ているのは、黄色か緑色のサイコロ効果である。黄色は小麦、緑色は鉄の目が多い。ちなみに青色は雇用の目が多い。
他のカードをみてみると、小麦が多く必要となっているカードが多く出ている。
サイコロの色によって出やすい目が違う。また2つ以上の目を持っているのは色付きサイコロだけだ。これはジェリカンを毎回1個使ってでも使いたいところ。
わし「よし、黄色の方をとる」
これで大幅に楽になるぞ。
コタ「僕も欲しい」
と言いつつも、コタはサイコロの目が思うように出ず、残りの緑をゲットできず。
さらにわしがその緑を手に入れた。
コタ「もう負けそうなんだけど」
とはいうものの、わしはそちらに資源を使い込んだため、勝利点やジェリカンでは圧倒的にコタが有利となっている。
ここはよくできていると思う。
色付きサイコロを使っているうちにはたと気づいた。このゲームではジェリカンが一番大事である。資源のうちストックできるものはジェリカンしかない。大切に扱うよりも進んで色付きのサイコロを借りるべきだ。
わし「ジェリカン大量に持ってるんやったら、色付き借りた方が得やぞ」
そうこうしているうちに占有カードがでて、決算処理だ。
実のところどちらもカード集めばかりに奔走しており、新天地にはあまり人を送っていなかったりする。
中盤、コタは念願の最後の色付きサイコロをゲットして、大量のトゥアレク族タイルを手に入れるも、あまり使いこなせない状況。
燃料切れにびびりながら、すぐに補充を行うのだが、そもそもサイコロ8個やとなかなかファイヤーが出ないので、ほとんど満タンになる。
そんな感じでゲームが進み、最後の占有カードがわしの手番時に出た。
最初に書いたとおり、決算処理を行い、コタが最後のラウンドを行う。新たな大地はないので、人を3人送り込んで、勝利点4を獲得。
先手番で占有がでたら最後は新天地カードはなくなる。代わりに人を配置することで勝利点が入る。
このように一人1点のマスと二人で2点のマスがある。今回は両方手に入れた。
わしが27点、コタが24点。
わざわざ得点を書いたのは、新天地をそれほど取らなかったヘボプレイっぷりで、得点がどれくらいになったかの備忘録代わりである。
所要時間60分
ソマーリオ
リアクションサイコロゲームというシステムからまったく逸脱していない想像通りのゲームだった。そこに驚きはなく、システム的になるほどと感心するところもない。
しかし、テーマ性と作り込まれたコンポーネンツのおかげでめちゃ楽しかった。
ルールはドイツゲームの基本的な流れそのままであり、取っ付きやすくとても簡単である。プレイ時間は表示の30分ではおそらく無理だが、内容的にもハードさはなく、リプレイバリューは非常に高いゲームだ。
なんといってもマッドマックスの世界観は怒りのデス・ロードをみて、ヘトヘトになった諸氏には絶対的な魅力があるだろう。
コンポーネントはみての通りのトラックの砂時計が秀逸という言葉以外見つからない。ハリケーンお得意のシールもマッドマックスぽい個性あふれるキャラクターとなっている。
ジェリカン、ただのポリタンクの絵だが、それすらもこの世界観に溶け込んでいる。
サイコロが8個というのも間違いなくV8からだ。
駒やタイルがかちりと内箱に収まるのはとても気持ちが良い。質実剛健な作りに思える。
永続効果のあるカードを取得した場合、忘れないように永続タイルを受け取って表示するという工夫もプレイのしやすさを考慮に入れられてて好感が持てる。
少し気になったのは、わしが初プレイゆえにヘボかったからなのか、新天地をあまり目指さず、人駒が余りまくったことだ。決算までに7個を使うシーンなんかあるんやろか?
これはもうちょい検証の余地あり。そのために得点を書いた。
唯一の不満は、サイコロ8個を振るのはなかなかに難しいというところだ。大人でも手に余るので子供ではかなり難しい。もう少し小さくした方が良かったかも。
それとサイコロを振る場所はプレイバランスに大いに関係するので、ここまで仕上げてしまえば、サイコロを振る場所もコンポーネンツとして付けて欲しかった。
ちゅうわけで、マッドマックス好きでドイツゲーム好きなら種籾を売り払ってでも買え。ヒャッハー!!