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Reiner Knizia
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Piatnik
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2人
10分
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ハンニバル対ローマ
門前にハンニバルが!
それまで連戦連勝だったローマ人を恐怖させた男がいる。
アルプスという悪魔の住む山と名付けられた山脈を冬に越え、その過酷な山越えで片目を失いつつも、たった一人ローマを壊滅寸前にまで追いやった。
ハンニバル。
この名将を打ち破るには、ローマはスキピオが成人するまで待たなければならなかった。
〜古代ローマの新しいゲームより
プレイ感
ちょっくらゲームしようとTAMがきた時にやってみたのがこれ。テーマは壮大だが、10分で終わるのであまり期待せずにプレイ。
まずは、ハンニバルがTAMでスタート。
ハンニバルはローマを、ローマはカルタゴを落とせば勝てるのだが、他にも5つほどの地域を制圧して包囲網を築いても勝つ。
手札は1から5で、このカードを使って戦闘判定するのだが、全部使いきるまで、補充は出来ない。そう、これはあの指輪物語の対決の原型なのだ。
ハンニバルは象に乗っているので、攻撃力+1である代わりに、海を渡る事が出来ず、また(駒を重ねてハンニバルを表すので)軍隊が1つ少ない。
地中海が白い部分。海軍がピン駒で、■■■■となってるとこならどこでも移動できる。海上輸送に使う。
しかし、わしの考えはこうだ。まずは地中海の島々を制圧するために海軍を派遣する。陸軍は海軍駒があれば海上輸送出来るので、海戦は大切なのだが、ここでわざと最初の海戦で1を出す。
TAM「わ! 1っすか。僕5ですわ。はっきりいってこの最初の戦闘で1を出してくるあたり既にあきおさんに勝てる気がしません。。。」
海軍駒が1個になりながらも、シチリアを占領した。
そうやってローマ軍が地中海にかまけている間に、ハンニバルが南スペインにたどり着いた。
「門前にハンニバルが!」
ローマ人がそう叫ぶのも無理はない。ふたつの駒を重ねたハンニバルは、まじで威圧感がある。+1という強力な駒だけに、ここから一気にローマまで進撃されてしまいそうな、恐ろしさがみなぎっているのだ。
ハンニバルが南スペインに到着。超こえぇ。海上輸送で、シチリアを制圧し、ここからザマを目指す為に2軍隊配備。
ひぇえー、って感じだ。
しかし我がローマ海軍は、地中海の島を制圧したものの貿易国家であるカルタゴに1個を残し壊滅させられ、頼れるのは陸軍であり、この南フランスを制圧するしか勝ち目がないのだ。
とにかく、TAMに攻撃力の高いカードを使わせるべきだ。
そこで、最後の海軍を用いて海戦を挑んだ。もし、カルタゴがこの海戦に負ける事になれば、ローマ軍がカルタゴに到達するような海戦を。
当然、ここで、TAMは全力でこれを潰しに掛からねばならない。
それを見届けてから、決死の陸軍をハンニバルに突撃させる。そう、TAMの手札にはハンニバルといえど相打ちさせるカードしか残っていないのだ。
いけぇぇ!! 会戦でカードを使わせた為に、ローマの海軍は全て失われてしまった。シチリアの2軍隊がちょっと不味い作戦であった。
相打ちさせた後、がらがらになった南スペインにローマ軍を進撃させて、シチリア、コルシカ、、サルディニア、南スペインの対カルタゴ包囲網は完成した。
所要時間10分
次に、国を入れ替えてやってみた。
ここでもTAMはわしと同じ、包囲作戦に出る。そうなるとやっぱりローマの海軍は負けねばならない。
※同じ手札なので、陸軍で勝つためには、どこかでカードを温存し、相手に強力なカードを使わせなければならないのだ。
しかし、上手く立ち回ったTAMは地中海を制圧する。
わしは同じく、ハンニバルを南スペインに進撃させるが、途中で手札がない事に気づき、別のカルタゴ軍を同じ方面に出撃させる。
あぶねえ、あぶねえ、このままやったら、ローマ軍に簡単にハンニバルを撃破されるところやった。
北スペインで、ローマ軍はハンニバル軍を迎え撃つつもりだろうが、ローマは選択を誤ったのだ。あのとき、ローマが南スペインに進撃していればハンニバルと相打ち出来たものを。すでに救援のきたカルタゴ軍に勝利の女神は微笑むだろう。
まずは、救援部隊を北スペインに突撃させ、撃破させる。それで最後のカードがなくなり、カードが5枚補充した後、悠々とハンニバルが北スペインを制圧。全てのローマ陸軍は、地中海の島々に散らばっており、海上輸送する海軍もゼロ。軍隊のなくなったローマを悠々とハンニバル軍が、制圧した。
所要時間10分
ローマが包囲網を完成させる前に、ハンニバルがローマ軍を撃破し、ローマに進撃。かくしてハンニバルのローマ攻略は成就し、歴史は変わった。
TAMのコメント
あきません。これ、勝てる気しません。最初のカードの1でびびりました。お兄さんとやるとかなり凄い勝負になるんでしょうね。
ソマーリオ
なに、これ? 無茶苦茶おもろいやん! 指輪対決と同じタイプの奴はわしの相性に合うんやろなあ。ルールは単純やのに、もの凄く熱い読み合いがある。
ハンニバルの+1もやたらと効いてて、恐ろしいのなんのって。最初、+1って数字的にしょぼい特殊能力やなあと思ったのは大きな間違い。非常に効果的なフレーバーとなっている。
対決の特殊能力がややこしくて、ちょっと分かりにくいって人も、先にこれをやってから対決をやったらそのおもろさを十分に堪能出来る筈だ。
対決と違って、海軍が非常におもしろい働きをしている。海軍を抑える事によって、直接、首都に近づく事も可能となる。しかし海軍だけ生き残ってもどうしようもない。
マップも狭く、やっていると戦略は限られてくるだろうが、を与えたい。10回程度なら、戦略的楽しさはまったく損なわれない筈だし、戦略が全て出そろったところでも、ブラフの要素があり、ずっと楽しめる筈だ。わずか10分で、本格的な戦略ゲームが楽しめるってのは凄い。そしてゲームをやったという満足感も与えてくれるのは、このゲーム以外に二度と出てこないだろう。
これをもっと豪華にして、もっとたっぷりと戦略が味わえるハンニバル対ローマを単品で出して欲しい。素晴らしい!
ちなみにこのゲームはリメイク版のローマに収録されているので、手に入りやすい筈だ。