手に汗握る超高層ビル登り
君は無事に登り切れるか!?

バンダイ

2〜6人
60分

クレイジークライマー

超高層ビルの1階から屋上で飛びかうヘリコプターのゴールまで、キングコングの手を逃れ、誰が早く乗り込むかを競立体ボードゲーム。
途中にはおもわぬアクシデントがいっぱい!!

プレイ感

ボードゲームとファミコンとの過渡期に、ファミコンブームに乗っ取ったファミコンのボードゲーム化が行われた時代があった。元々日本のボードゲームはブームになったものを利用するものが多かった。これを機会にボードゲームは廃れ、テレビゲームの時代となっていった。

そしてこれ、クレイジークライマーといえばニチブツの大傑作アーケードゲームである。実家がまだゲーセンを経営していた頃、もうひたすらクレイジークライマーをやりまくった。なんておもろいゲームなんだろうと感心したものだ。

本作には全然思い入れもないし、やった事も発売してた事も知らないが、オークションで見つけて、アーケード時代のファンであったことを思い出してつい落札してしまった。きっとおもろないんやろなあと、TAM、タカダとの3人プレイでやってみた。


ゲームは、カードを使って登っていくのだが、そのカードとビルの穴の位置に妙がある。カードには選択肢が描かれている。例えば3つ進めるカードなら、左上、真上、右上に自分の位置から3つ目の窓のところにしか移動出来ないのだ。つまり、そこに窓の空いたところが無ければそのカードは使えない。或いは、1つ進めるカードなら、下の階に降りる選択肢もあったりする。


この超高層ビルのコンポーネントは圧巻! 穴の開いた窓を登っていくのだ。穴は結構まばらなので、カードによる選択肢が限られる。下にはルーレットがあり、ランダムな処理を担う。


カードはこんな感じに移動するようになっている。同じ数でも、移動出来る場所が違うのだ。風船はさすがに強力。

わし「ちょ、お前、邪魔やねん。そこどけって」

TAM「何いってるんすか、僕もここ動けなくて困ってるんすよ」

カードが思うようにならず、上にあがる事が出来ない。

くっそー、そこさえのけば、わしゃ、風船で一気に5階上にあがれるのによー。

このカードと窓の開いた階のバランスが素晴らしく、ビルを登るのに苦労する気持ちがよく解る。まさにクレイジークライマー気分そのもの。穴の位置と手札をみて、カードを使う順番を考え、よし、これでいけると思ったら、花瓶や鉄アレイが振ってくるイベントが起きて、1段下に落ちると全ての計画がくずれてしまったりする。

イベントは、誰かが1階上にあがると、カードを引いてクレイジークライマー特有のイベントが起きるようになっている。その最も強力なのがコングである。そう、あの「こりゃ、こりゃ」とパンチしてくるゴリラはクレイジークライマー駒と同様、窓に駒として存在し、あちこち移動してくるのだ。

TAM「うわ、コングきたー。やば」

タカダ「こいつ、むっさ恐い」

なんせコングと同じマスになるといっちゃん下まで落ちてしまうという恐怖のキャラなのだ。この動きがまったく読めないので、近づいてくるとかなり緊張する。


コングが近づく。こ、こええー

また、相手の真上にいるときに、落ちると二段落ちが起きる。

わし「あれぇ」

タカダ「ええ、僕も下に落ちるんですか」

わし「うむ。あれぇ」

タカダ「あれぇ」

と、終始ゲームはTAMリードで進んでいたが、TAMがどいた矢先にすかさず風船で一気に駆け上がるわし。

問題は、ヘリコプターだ。

ヘリコプターが、うろうろ屋上をとびまくって移動しているのだが、これがまた思うようにならない。上の階では空いている窓がすくない上、右にはコングという恐ろしい奴が待ちかまえている。


コングが怖くてつい左から登ってしまったが、ヘリコプターは向こうの方である。

どきどきしながら、待っていたらTAMが一か八かで登ってきやがった。

コング「こりゃ、こりゃ」

TAM「あれぇ!」ちゃららら、ちゃららら、ちゃーん

ムチャシヤガッテ! コングに殴られて落ちたTAMを尻目に横移動カードで一気に右に移動。

わし「たどり着いた! よいしょ」

ちゃちゃちゃちゃちゃららららーらーらん、ちゃちゃちゃちゃちゃららららーらーらん、ちゃらららら、ちゃらららら、らーん


よいしょ!

所要時間45分

TAMのコメント

これバリおもろいですやん! まんまクレイジークライマー。近い内にまたやりましょうよ。

ソマーリオ

うわ、買うて良かった。むっさおもろい。クレイジークライマー知ってる人なら解ると思うが、にやりとするイベントが盛りだくさん。ゲーム中ずっと頭の中でクレイジークライマーの音楽が流れてる。

ゲームとしてみても、穴とカードの移動が非常によく出来ていて、パズルチックな要素があるのでとてもやった感があるのだ。まったく日本のゲームとは思えない出来である。また圧巻なのが、そのボードで、直立する巨大なビルは、プレイ感を嫌が応にも高めている。

クレイジークライマーを演出するために、無駄とも思えるカードでゲームの完成度を落としている面もあるが、逆にそのおかげでクレイジークライマーファンなら面白く思えるところもあるので、これはこのままでいい。

欠点としてコングがやたらと強くて、一旦下に落とされると挽回出来ないほどの致命的なダメージを受けるところもあるがクレイジークライマー好きなら絶対に買い、それ以外の人も一度はやってみて欲しいと思うゲームである。

ドイツゲームにスカイランナーというビル登りのゲームがあるが、あれに勝るとも劣らない和製ゲームだと思う。スカイランナーをやってないのでなんとも言えないが、評判も立っていないところを見るとおそらくこっちのが上だろう。


これがスカイランナー。へばりついてます。駒の出来はクレイジークライマーの方が上か。

日本ゲーム、このクレイジークライマーをやってみると、たまにヒットを飛ばす事が出来るんやなと嬉しく思ってしまう。こんな事があるから、昔のゲームをつい落札してしまうんやわ。

gioco del mondo