Bill Eberle
Bill Norton
Jack Kittredge
Peter Olotka

Hasbro
Avalon Hill

2〜4人
40分

コスミック・エンカウンター

ルール説明

駿河屋で購入
遠い銀河の果てで、ワープ航法を知った宇宙人たちが他の惑星への侵略戦争をしかけていた。
宇宙人は、様々な進化の過程を経て、人間には信じられないパワーを持っている。
あるモノは相手の心を読む。
あるモノは交渉術に長けている。
今まさに、銀河の支配者たる宇宙人たちの狡猾で暴力的な戦いが戦略規模で行われている。

プレイ感

マジックザギャザリングを作ったリチャードガーフィールドがお手本にしたゲームとして有名で、何度もリメイクされている。アークライトから日本語版が出たが、今回はデザインがサイバーで、コンポーネントがかっちょいいアバロンヒル版(後Hasbroに買収されているが)にて、オビ湾、ロー、miaとの4人プレイにて。

ちなみにローというのはどういう人物かと言うと、日本最大のボードゲームデータベースPlay:Gameの作成者で管理人なのだ。近年さっぱり表に出てきておらず知らない人も居るだろうが、PHPとMySQLを独学で勉強してあのHPを作った。そこまではえらかったが、燃え尽きてしまったらしいw


まず最初にランダムに宇宙人を引く。この宇宙人の能力が他の宇宙人の能力と重なってゲームを破壊するくらいのコンボを発揮する訳だ。
わしの最初の宇宙人は遭遇時、交渉カードを出せば、必ず交渉になるという宇宙人。

わし「なんや、これ。ごっつ弱いやん」

ロー「わしのんなんか、土下座宇宙人よ。土下座して勝ちという」

ローのは、交渉カードを出せば相手が戦闘カードなら勝利だ。

わし「よう似てるけど、そっちの方がまだ強いんちゃう?」

つーかね、ばれたらいかんのでゲーム中は黙っていたが、わしの手札に交渉カードが1枚もないねんけど。
しかも戦闘カードも恐ろしく低いのばっかり。どうやって戦えつうの。

ルールはシンプルで、最初に誰を攻められるかを決めるワープカードを引く。そこにワープの穴が出来て進出出来るというイメージらしい。このルールのおかげでひとりに集中して攻める事が出来ないようになっている。


各宇宙人のタイルをスタンドに立てて、表は総括した能力を裏面には詳しい能力が描かれている。
自分の持つホーム惑星は5つ。宇宙船駒は4個ずつ配置する。今、青が赤、緑を載せたマザーシップから攻撃を受けている。

オビ湾「あきおさんとこですね。攻撃します」

マザーシップに4隻までの宇宙船を載せる。

オビ湾「誰か同盟者はいませんか?」

わし「防御同盟求む」

このように同盟者を募集してから、順番に同盟するかどうかを表明していくのだ。

ロー「じゃあ、攻撃に船を載せる」

このように攻撃に同調する場合は4隻までの船をマザーシップに載せるのだ。

mia「じゃあ、攻撃にと」

このように攻撃に同調する場合は4隻までの船をマザーシップに載せるのだ。





…_| ̄|○

そして遭遇だ。

オビ湾とわしがそれぞれ遭遇カードを1枚ずつ出す。
どちらも戦闘カードなら宇宙船の総数と戦闘カードの数値で総戦闘力を出して、数値を比べる。
どちらかが戦闘カードで、どちらかが交渉カードなら自動的に戦闘カードの勝ちだが、賠償金を支払わなければならない。
お互いに交渉カードなら1分間の交渉が得られる。

オビ湾「15」

わし「10」

どちらも戦闘カードでわしの負け。

わしの宇宙船は全てワープホールのマスに漂流する。
そして攻撃者は、わしの惑星に駒を置き、植民地化する。


駒がやられると中央部のワープホールに廃棄する。ただし手番の最初に1個ずつ戻ってくる。このアバロンヒル版は中央部のギザギザを使えばぴったりと収まるように工夫されているが、結構薄いのでボードが動いてしまう。わしの惑星がかなり植民地化されてるのが解ると思う。。

成功したのでもう一度ワープカードを引いて、この処理を行えるのだが、1回目はすっかり忘れててこれで手番を終了した。

とりあえず、この手札をなんとかせねば勝利はおぼつかない。
このゲームの辛いところは、手札は使い切らねば、補充出来ないというところだ。
弱いカードもどこかで使わねばならない。

どうせえちゅうねん。

mia「あ、じゃあローさんとこに攻撃する。同盟者募集!」

ロー「わしと同盟した方がいいよ。土下座があるから」

オビ湾「じゃ、miaさんに同盟」

わし「うーん、ここで二人にさらに陣地を広げられると怖いな。…ほんまに交渉カード持ってるんか?」

ロー「大丈夫。土下座するから」

わし「ほな、ローに救援だ」

防御側に同盟する時は、自分のキャリアーに4隻まで宇宙船を載せて駆けつけるのだ。

ちなみにこれはアバロンヒル版独特であり、他のコスミックエンカウンターにはマザーシップの代わりにワープコーンタイル、防御に駆けつけるキャリアーはなく駒を使ってそのまま参戦する。確かに不要だが気分の盛り上がりの問題だ。

さてここで読み合いとなる。
ローの能力はmiaが戦闘カードなら交渉カードを出せば勝ちだ。しかしmiaが交渉カードを出せばただの交渉となるので、更に裏読みして戦闘カードを出せば難なく勝てる。
ここで恐ろしいのがmiaの宇宙人の能力。戦闘力は宇宙船の数と戦闘カードの数値の和ではなく、積で求めるという阿呆みたいな攻撃力を持つ。

ローとしては必殺の交渉カードを使うなら、交渉に持ち込まず勝ちたい。

ロー「へいへい、交渉カード出すよ」

ひたすらはったりをかます。

mia「うーん」

せーの、で

ロー「交渉」

mia「交渉、ほっ」

交渉になった場合、わしとオビ湾は蚊帳の外だ。すごすごと実家へ帰る。
二人で1分間の交渉が始まる。

ロー「じゃあ、お互いに1個ずつ置くってのはどう」

mia「了解」

この交渉が結構めちゃめちゃで、自分の手札と惑星を好きに交渉していいのだ。
だから、お互いに1個ずつ置きましょうなんて事になる。このゲームの勝利条件は、他の惑星に5つの植民地を作った時なので、こうやって談合していけば簡単に同時勝者が生まれるのだ。


なんとオビ湾がこれを植民地化すればゲーム終了となるので、皆、あわててmiaに救援を差し向ける。キャリアー(救援船)はそれぞれ自分の色の船を持っているのだ。

そこからはmiaの強烈な破壊力が全宇宙に吹き荒れる。

それにうまく載っかって漁夫の利を得るオビ湾。

オビ湾「じゃ、あきおさんを攻撃します」

わし「むう、じゃあ、無理矢理交渉にするアーティファクトを発動」

オビ湾「じゃ、あきおさん、ここに1個置かせてくれたらいいです」

わし「いや、じゃあお前んとこにもわしのを1個置かせてくれや」

オビ湾「駄目ですよ。ここに置かせて終わりにしましょう」

わし「まあ、待て。ここにわしのも置いてくれや」

時間が迫る。

オビ湾「あきおさん、冷静に考えてください。これで絶対上手くいきますって」

わし「いやいや、ここに置かせてくれたら…」

ピピピピ、ピピピピ、ピピピピ…(1分タイマーが鳴った音)

コスミックせいさーいっ!!

コスミック制裁とは、1分経っても交渉がまとまらなかった場合受ける、大宇宙の天罰であり、大宇宙の真理である。双方、宇宙船を3個失うのだ。

ロー「あきおさんと交渉は不味いな」

とまあこんな感じでゲームは進んだが、交渉系であるにも関わらずカード運が悪いわしらは手も足も出ず、結局miaの暴力的な攻撃力に便乗したオビ湾と同時勝利。

シェーンなんたら「これはもはや戦闘とは呼べないな。一方的な虐殺だ」

所要時間40分

1回だけでは解らないので続けて2回目。


ローが「助けてー!」と言うのでしょうがなしに救援を差し向けるわし。

今度はわしゃ、誰かが使ったアーティファクトを拾う宇宙人。ジャワ族やな。
オビ湾は、遭遇カードを相手に選ばせずランダムに引くというとんでもない宇宙人。
ローのも強力で、先に相手の遭遇カードを見てから自分が出すという、指輪物語対決に出てきた自爆テロの頭目と同じ能力である。


ロー「ごめん、これしかないのよ」とたわけた数字を出して負けやがった。阿呆か! オビ湾mia連合軍3+12=15。ローわし防衛軍6+8=14。ちょっと許せないんすけど?
ここで負けたらまたしてもオビ湾が勝利するので、わしが切り札のアーティフアクトを出して、ちゃらにさせてなんとか勝った。

わしの能力もかなり強かったが今回は、カード運にかなり恵まれて強力なカードが集まった。
終始ゲームをコントロールしてたが、最後の切り札を終始負けまくってたローを守るために使い切ってしまい、最後の最後でカードを補充して大一番の戦いに勝利して、ローが勝利。


で、直後にこのボケが、わしに攻めてきて、新たに手に入れた超強力カードを出して勝利しやがった。どう思うよ、これ?

わし「このおっさん、最後1回勝っただけで、勝ちやがった…」

所要時間20分

オビ湾のコメント

勝ち負けよりもドタバタ感が楽しい!
特に交渉がまとまらないときのコズミック制裁がイケテル。
あーだこーだばかやろふざけんな的なノリが始終通用するフランクさが良い。
なんというか細かいことは気にしないルールになってて、戦闘に使う数値バランスとか特殊能力で簡単に崩壊しちゃう。だったら皆で談合してなんとかせいっていう、いい加減でありながらそりゃそうだ的なとこが気に入りました。そもそもフェアじゃないことが醍醐味のゲームになってる。
すげー楽しめました。

miaのコメント

最初やったときの宇宙人が強いって解ってたら、もっとバンバン攻撃したのに。そしてオビ湾をみすみす一緒に勝たせなかった。
皆でばたばたやるのは楽しい。やっぱりハズブローのフィギュアは一番だね!

ソマーリオ

まあ、良くも悪くもなんともめちゃくちゃなゲームやのう。特に交渉なんてルールになってへん。お互いに1個ずつ交換していけば、その他のあれこれと細かいシステムなんか不要やんけと思ってしまう。色んな要素を用意したが、それだけで決まるのか? という大きな疑問が沸く。

せっかく良いものがあるのに、この部分をなんとかもっと整備出来ないものかと、システムに守られたドイツゲームにどっぷりとはまってしまった自分を見いだすことになった。

そう、このゲームはシステム上の破綻が起こらないよう、プレイヤー自身が楽しむ為の工夫をゲーム上で展開しなければならないのだ。まさに昔のアメリカゲーム。モノポリーと同じ感覚だ。いやモノポリーの方がゲームとしてシステムはしっかりしている。これは下手をするとまったくゲームにならない。
おもろい、おもろないというのは完全にプレイヤーの手に委ねられている。メンバーに恵まれると楽しいゲームとなるが、そうでないと目も当てられないゲームとなるので一般的評価は非常に難しい。

さてコスミックエンカウンターといえば、なんつってもマジックザギャザリングの元になったという程、宇宙人の特殊効果が色んな状況を生み出すと有名だが、今回2回やった限りでは、自分の攻撃の時とか、攻撃された時とか限定が多く、コンボは生み出せなかった。

そういった制約があり単独で使うので、よくあるキャラクターの特殊能力という認識でしかない。
他の宇宙人を見てないのでなんとも言えないが、有名な割に…という印象だった。

宇宙人の組み合わせでやたらと盛り上がったり、あっという間に終わったりするので、何度かやってみなければ真価は分らないゲームだ。戦闘カードは単純に強いか単純に弱いかが明白で最初に配られた遭遇カードのばらつきが酷い場合はゲームにならない。
現在のドイツゲームでは単純に弱いカードというのがないように工夫されているのを思い起こして欲しい。もしこの部分をドイツゲーム風に直すとするならば、それぞれ自分の山札を持ってそこから手札を補充する、となるだろう。
ただそうしてもあの交渉の強烈さを考えれば、取るに足らない修正だろうし、やろうと思っても同じカードが人数分必要でヴァリアントとしては無理だ。せめて各自交渉カードとある程度攻撃力のあるカードを1枚ずつ持ってスタートというのが現実的かも知れない。

コンポーネントについていえばアバロンヒル版がなんといってもオリジナルにはなかったマザーシップやキャリアーなど不要なものまで立体化されており、非常に素晴らしい出来である。ただし、ヴィジュアル的にはいいが思ったより載せるのはめんどくさいw
アバロンヒル版の弱点は宇宙人の種類が20種類しかいない事と、プレイヤー人数が4人までという事。

オリジナルのEON社のコスミックエンカウンターは48種類いたし、6人までプレイ可能だった。
アークライトが日本語化したバージョンは50種類おり、5人までプレイ可能だ。

宇宙人のカードは、アバロンヒル版は全員かなりサイバーな絵となっており、垂直に立てるスタンドが付いている。アークライト版は、ぺらぺらのカードで相手からも能力が読めるように上下に文章が書かれて工夫しているが、こういったアイテムに目のないオビ湾に言わせると垂直に立てる事が出来ないのが駄目だという。ただしオリジナル、アークライト版共に宇宙人の絵はなかなか味がある。ここらへんは好みの問題だろう。

なんでアバロンヒル版は4人までしか出来ないかと考えたら、ほぼ間違いなくマザーシップの容量の問題だと気づく。もっと載せられるようにするとバランスが悪くなるのだ。

アバロンヒル版は既に絶版となっているのでどっちがいいかなんて考える必要もない。欲しいなら2010年現在、入手可能なのはアークライト版だけだ。バランス感覚に富んだノリのある仲間を選ぶ必要があるが、こういったものが好きなら一度は、いや四度は遊んでみて欲しい。わしももう少しやってみたい。実はアークライト版も持っている。


これがアークライト版が元にしてる版である。謎の円盤UFO! って感じ。マザーシップの元はこのようなワープコーンというタイルである。キャリアーに当たるものはないがハズブローヲタクのオビ湾とmiaは反対するだろうが、これはこれで雰囲気は出てるように思う。

タイトルはEON社を日本語化したツクダはコスミックエンカウンターと表記していたが、アークライトのはコズミックエンカウンターとなまって濁音が付いている。ここではオリジナルに敬意を表してコスミックエンカウンターと表記した。

gioco del mondo