Sid Sackson

Face2Face
Ravensburger

2〜4人
45分

キャントストップ

やめられないとまらない。
これぞギャンブルの醍醐味。
一気に、マスを登り切れ!






プレイ感

シドサクソンの名作サイコロゲームなのだが、どうにも見栄えがヘボヘボで買う気が起きなかった。なんか自作出来そうやしw まあ、でも物として持っててもいいかなと言うことで原版と同じ構造をしてるこいつを買うてみた。miaと二人プレイにて。


ルールはあちこちのサイトでも書かれているように非常に簡単だが、きちんと順序立てて理解しとかんとなんとなく間違いそうな感じのするルールである。
手番になると、サイコロを4つ振る。それを2つずつの組み合わせで2セットの組を作る。それが今回上れる場所だ。当然、2〜12の場所があり、数の出やすい7を頂点に段々とマスが少なくて頂上にたどり着けるように出来ている。頂上を3カ所制覇すれば勝ちなのだが、手番は自分がストップをかけない限り延々と続ける事が出来る。ただし一手番に動かせる駒は3つまでとなっており、それ以外の組み合わせしか出来ない場合、バーストとなって今手番に登ったマスは全て無効となってしまうのだ。これがキャントストップと言われる所以だ。


白の駒が今回使える駒。自分が以前にビバークしてた場所があればそこからスタートする。今回miaは8,9,10でどうやらスタートするようだ。7を頂点として、マス目が少なくなっているのが解るだろう。確率とマス数が上手く出来ている。

徐々に、確実に、ストップをかけてビバークをして登るmiaに対して、がめつくストップをかけずにサイコロを振り続けるわし。

mia「えー、もう辞めといた方が」

わし「いや、もっかい」

ころころ…

わし「…ない。くっそー!!」

先に書いたように今手番に動かせる場所ってのは3カ所の駒だ。白駒で手番中、登っているのを表すのだが、サイコロのセットが1つでも動かせるとOKなのだが、どう組み合わせてもその3つの駒にならないケースが、いわゆる滑落である。滑落すると、今の手番はなっしんぐあとおーるになる。


がっひょーん! どー組み合わせても3,8,10にならん! これは滑落となるのだ。進んだ場所は全て無効。ま、今回は序盤やったので痛手は少ないが、かなり進んでからだとショックは甚大のバージンショックだ(古)

mia「じゃ、わたしの番ね」

わし「おいおい、もっと振れや」

mia「うーん、じゃ、もっかいだけ」

わし(落ちろ、落ちろ)

mia「やった。じゃ、ここでビバーク」

わしはここで8を連発して、とうとう登頂に成功する。ここまではわしもなかなかに上手く進めた。


8の登攀成功。こうなると8は誰も登れないマスとなる。制覇するものは一人だけだ。


ぬ。ここでmia地道に地道にビバークして詰めてくる。


げぇ! 小さい数で攻めて来やがった。

あちこちの山で、miaの駒が頂上にニア寄せである。
かたやわしの駒は、8の一気登頂に気を許し振りまくったせいでまったく進展なし。

うーむ、一旦こうして離されてしまうと、一気にやろうとして、全然自分の駒が載らんなあ。

そうこうしているうちにただのサイコロゲームではあるのだが、非常に戦略的なゲームであると気づいた。

手番最初の組み合わせは非常に大事で、組み合わせの取りやすい数字にしなくてはならない。ルール上、登れるなら登らなくてはならないので、そう上手くはいかないが、それでも例えば1,1,6,6と出た場合、2と12の山を登るのは愚の骨頂だろう。この場合、7を2つ登らせるのが良い。そうすれば、残りの2つを次の振りに温存出来る。2つは中央付近の山を、1つは端っこを登らせると良さそうである。2とか12は僅か3マスでゴール出来るからだ。

mia「やったー! 3つ制覇」

とかなんとか考えてるうちに負けてるやんけ!!


3つ登頂され、完敗。最初に一気に登れたんが、災いした。次回はもっと丹念に…の筈が

わし「もっかい」

今度も前回と同じく、着実なmiaのビバークが山のところどころに点在する。

かたや、わしゃ0だ。おいおい…


miaがここまでビバークしてるのに対して、わしの駒は0だ。ひゃっほう! …とちゃうわ!

しかし、ここで一気にあきお隊が、猛追撃を開始する。

部下A「あきお隊長! 我、8番高地制覇せり」

おおっしゃあ! 今回のポイントはmiaの制覇目前のマスにかぶせて駒を進めるようにした事である。

この8番隊こそがわしの命であった。miaは2つ制覇しており、8番高地がもうちょいで制覇だったのだ。誰かが頂上に登るとそこは、死に目となり誰も使う事が出来なくなるのだ。この作戦は非常に重要である。これで一気にわしは展開が楽になったのだ。

そしてmiaの8番隊をけ落としたわしは、さらに頂上を目指す。


なんと、わしは一手番でここまでこの3つの隊を進めてきた。さっきまで0だったのだ。2つ登頂した勝利目前のmiaを追いつめる。ここまできて、わしはビバークを選択。なぜなら、脅威であったmiaの8の隊は既に居らず、ある程度安心出来るからだ。それよりも重要なのは、わしの2つの駒は今手番に登頂成功してしまい、サイコロの目は何がなんでも残りの隊9の目を出さなくては、折角成功した全ての駒がなくなるという結果になるからだ。ここは当然ビバークで2つの登頂を確定させておきたい。

部下B「隊長、ゴール目の前にしてここでビバークっすか!」

わし「うぬ。無理は禁物じゃ。次回に勝利は勝手に転がってくる」

mia「えー!」

奇跡の逆転勝利まであと少し。2手番で勝ったのだ。

わし「よし、これで終わり」

所要時間30分


しゃあ!! 勝利! ムチャ勝ちやなw

miaのコメント

まーまーかな。もう少しやり込まないと楽しさが解らないかも。
        ↓ ↓ ↓ 後日やって評価変更。
サイコロ振るだけなのに、中毒性もあるしギャンブル性も満載で面白い!

ソマーリオ

なるほど。ただのサイコロゲームではないってのがよく分る。作戦もあり、運もあり、そして止められないルールもあり。ルールさえ解れば紙に鉛筆書きで簡単に自作できるような代物だが、システムは非常に良く出来ている。あまりにも賭け事に向いている。人間の射幸心というのを見事に煽っているルールはこれくらいよく出来ていれば、それこそカジノで登場してもいいくらいだと思うが、ディーラーに若干有利にするルールを作るのが難しいのかも知れない。

普通のサイコロ4個だ。それだけでこれほどのゲームを作るとはシドサクソンとはなんと凄い人物なのだろう。

と、ここまでは褒めておく。

こっからはわしの個人的好み。やっぱりサイコロゲームはあまり合わない。つまらなくはないのだが、無味乾燥としたボードがどうにも個人的には萎えだ。よく、これは登山にたとえられるが、もう少し絵柄を登山ぽくしたらどうかと思ったりもするのだが、たぶんルールがサイコロ4個なのであまり印象も変わらないだろう。

申し訳ないが、これ、お金賭けたら、相当エキサイティングな物になると思う。思いっきりドイツボードゲームの理念からすれば邪道だが、もう想像するだけで、その興奮ぶりが目に浮かぶ。賭けゲームとしたら、そのポテンシャルは、麻雀、クラップ、パチンコ、ブラックジャック、競馬などと比べても遜色はない出来だ。

ボードはプラッチックでかなり環境に悪い感じだが、事ギャンブル専用と考えれば、透明度の誇るサイコロと相まってクラップのような雰囲気はある。まあ、ちゃっちい感じはするけど。

これは賭けないと駄目だわ。日本では禁じられてるので、カジノ法案が通ったらやる事にするw
でも後日何度かやってみて、ルールは非常に簡単でそれなりに盛り上がる。最初にこれを書いた時のイメージよりも確実に良いゲームでした。

さらに後日

何度かやってみて、miaと同じようにやっぱりここに書いた評価は妥当ではないと感じてきた。
サイコロゲームのくせに相手を抑えるために、いくつかの戦術をとることが出来る。確かにサイコロ運でそんな戦術なぞ一発で吹き飛ぶのだが、やるのとやらないとでは運の呼び込みが違ってくる。また二人でやったのもまずかった。これは多人数でやるとさらに盛り上がるのは必至である。よって評価を変更する事にした。

意外とパーティゲームのような感覚ではないので通常のをつける。

gioco del mondo