Inka Brand
&
Markus Brand

KOSMOS

2〜4人
20分

千の鏡のお城

ちびっこ吸血鬼ビクトアは、とてつもなく大きな吸血鬼城に住んでいます。それで、千の鏡のお城にはお部屋が多すぎるのです。ビクトアは、不気味な吸血鬼事典や、騎士のかぶとをどうやったら見つけられるでしょう? 宝箱はどの部屋にあったでしょう? それに、ビクトアの犬のヴァンピは一体どこに隠れているのでしょう?

プレイ感

紺碧さんが面白いというので見てみると、確かにすっげえおもろそう。早速、輸入してみた。最近、紺碧さんは、子どもが大きくなって色々とゲームが出来るようになったので、やたらめったらゲームを楽しんでるようだ。ま、人の家庭の事情はほっといて、早速miaと二人プレイしてみた。


ちょっと手番の手順がややこしくて、窓タイル(穴が開いててそこから覗く事が出来る)を、他の城タイル(形状は窓タイルと同じだが穴が開いていない)と交換する。城タイルの内側にはビクトア君が探すアイテムが描かれているので、その時に場所を覚えておけばいい。
その後、さいころを振ってビクトア君を移動させる。移動したマスにはビクトア君が探しているものが描かれている筈。それを城の内側に突き刺さっている鏡を3回まで移動させて、窓タイルから見えるようにするのだ。


見やすいように、上箱を下に置いてこのように城を作る。ビクトア君は周りを歩く。要は端っこに突き刺さってる城タイルの裏側の絵を記憶しとけってゲームだ。

他のプレイヤーは、その移動によってビクトア君の探し物が見つかるかどうかを予想する。
手番プレイヤーが覗いて、何が見えたかを大きな声で言う。当たっていれば、青い飴ちゃんを1個もらい、更に、それがどの城タイルかを示して、当たれば追加でもう1個飴ちゃんを貰う。他のプレイヤーは予想が当たれば飴ちゃん1個貰う。それで最初に規定数の飴ちゃんを集めたプレイヤーの勝ちだ。

ビクトア君が探さないものがひとつあって、それはニンニク。吸血鬼であるビクトア君はニンニクが大嫌いなので、これをもし見てしまったら飴ちゃんを1つ返さなければならない。


まずは城タイルとコウモリマークのついた窓タイルと交換する。この時にだけ城タイルの内容が見れるので、覚えておくのだ。

裏面に初心者用にと、ボードに光が直進した点線が描かれている。んー、鏡って入射角と反射角が同じなんで、こんな線いるんか? と思ったが、わざわざこんなボードというのがあるので、なんか難しいのかもと思ってそっち側でやってみた。

まずは、窓タイルの入れ替えである。このときにしっかりと何がどこにささったかを覚えておく。
そしてビクトア君を動かして「ろうそくを探してる」となる。


窓タイルからビクトア君が探しているのが見えるように3回まで鏡を入れ替える事が出来る。光の反射を利用して、見えるようにすれば良い訳だ。ちなみにこのボードは裏面の光の直進が描かれている方で、本式は直進の絵が描かれていない。

mia「これって、ただの当てずっぽう?」

わし「最初はしょうないやろ」

mia「とりあえず鏡を動かして…」

わし「予想は外れ、な」

mia「覗いてみる…やった、ろうそく!」

わし「なんじゃ、そりゃあ!! ほな、それがどこかを引き抜いてみろ。当たればさらに飴ちゃんが貰える」

mia「これがこうなって、こうなってるから…ここ、かな?」

(こいつ、阿呆か?)

mia「外れ。えー、これどうなってるの??」

わし「お前、光の反射知らんのかいな」

mia「うん」


これが窓タイル。ちょっと写真失敗して真っ黒だが、きちんと目的のものが映っているか確認せよ。

そこで説明書の最後に書かれている図で説明してみる。子供用なのでそういったところもきちんとフォローされているのだ。

mia「解った」

まあ、こうやって失敗した場合も、何がどこにあるか解るので記憶しておくチャンスなのだ。

ところで、途中から気づいたのだが、こういう記憶力ゲームは苦手なのだが、楽に覚える方法があった。

ビクトア君が探してるものの絵と城タイルの位置は同じで、マスに描かれている絵を基準に城タイルに描かれている絵がなんだったかを覚えるのだ。同じ絵が差し込まれている場合は、それだけを覚えておけばいいのでかなり関連づけられて覚えることが出来る。もちろん、移動はするのだが、関連づけ出来るとかなり楽なのは間違いない。


ビクトア君は、周りのマスを一方通行でサイコロの目だけ進む。進んだ先に思い描いているのがさがす城タイルとなっている。

残念ながらこのプレイではそれはまったく思いつかず、記憶力ゲームの弱さを露呈していた。

わし「じゃ、これでいいや」

mia「じゃ、見えないに予想」

わし「どれどれ…わしゃ阿呆か!!」

mia「どうしたの?」

わし「鏡の裏面…」

鏡は表にしかなく、裏面はプラッチックだ。
上にはコウモリが刻まれているが油断して見ると表と裏が解りにくいので、きちんと表裏は見定めておいた方が良い。

mia「兜か。あれはここだから、鏡をこうしたらいいのかな?」

miaのトレースしている指先をみると、光の物理法則を無視した明らかにへんな曲がり方をしてる。。。

何故、こいつは45度に入ってきた光を15度に曲げるのだ??

わし「さっき説明したやろうが。45度に入ってきたら、反射角も45度やって」

mia「え? え? じゃあ、こうかな?」

60度に曲がった…_| ̄|○

わし「それはお前の願望でしょ!」

と、物理法則を理解出来ないmia対記憶力のないわしの激しい戦いとなった。


鏡はしっかりと映るが、表裏があって裏面には鏡がないのに注意しておくこと。見たら、鏡の裏で何も見えなかった…(|| ゜Д゜)ガーン!!

ただ、記憶力がないのは予想以上に苦しい。例の覚え方に気づくにはもう一度プレイする必要があった。
結局、この勝負はmiaに軍配があがった。

所要時間20分

それから何度かやってみたが、例の関連づけ方法やとかなり覚えやすくなった。そうなると物理法則を理解しているわしの方が圧倒的に強くなる。記憶力ゲームだが、これなら五分以上の勝負が出来る。

その後、TAM夫妻とやった。

miaのコメント

だめだ。このゲーム苦手だ。光の曲がり方がよく解らない。

唯一ニンニクをみたTAMのコメント(後日やった)

TAM「あれ? これって一体なんなんすかね?」

…もう一度見てみる。

TAM「えー、こんな絵ないんですけど? いや、まじでなんやろ?」

わし「ちょっと見せてみ。…わはは、ニンニクやんけ」

※ニンニクは唯一ボード上に描かれていないので、ほんまにこんな反応になるw

TAM「うわあ、これむっちゃおもろいっすわ! かなり気に入りました」

ソマーリオ

システムを突き詰めると子どもゲームにありがちなただの神経衰弱なのだが、非常に凝った仕掛けがこのゲームの存在感を高めている。
素晴らしいのは子どもに鏡の原理を遊びながら教える事が出来るところ。これで物理や科学に興味を持つ子供が育つのは間違いない。休刊となってしまった学研の科学と学習の付録のような位置づけだ。

コンポーネントは見ての通りとても素晴らしい雰囲気が出ている。難癖を付けるなら子ども向けという事で、飴ちゃんの色を赤でなく青にしたのは失敗だと思う。箱やボードなど青を基調としたデザインとなっているので、全体的にひどく冷めた印象になってしまった。この中に赤が混じれば映えたように思う。血の色という事であえて赤にしなかったのだろうが、血が悪い訳ではないのだ。ここらへんは子ども向けの姿勢がKOSMOSはまだ解っていない。ZochとかHABAなら赤を選択しただろう。

もうひとつ、鏡の反射によって見えるのはいいが、箱の中は当然暗くて、これもまた青を基調としたものでゲーム全体が暗いイメージとなってしまっている。外から明かりの取り入れ口を作れば良かったのにと思う。

最初は、当てずっぽうになってしまい、外れ予想をする周りが得をするという意見もあるようだが、そんなにたくさんある訳でもないので、適当にやっても当たるケースもあるし、すぐに位置をなんとなく覚える数しかない。もし気になるようなら、1周だけは予想タイルを無しにすればいい。1周もすればなんとなく掴めてくるものだ。

ゲームとしての楽しさは予想を超えるものではない(特に大人にとっては)が、安心したおもろさと、教育的な仕掛けの楽しさがあるので、持っていて満足度の高いゲームのひとつだ。上級ルールになれば、扉タイルを差し込む事で邪魔をする事が出来るので鏡の使い方をもっと考えなくてはいけないようになっている。わしは是非これでゲームをやりたいのだが、miaはまだ光の特性をよく解っていないので導入は難しそう。今度、皆が集まった時にやってみる事にする。

いかにもメビウス好みのゲームなのになんで輸入しなかったのだろう? ひょっとして、例の法律の改変で、輸入することが難しくなったからなのだろうか?

その後、TAM夫妻とやってみたが、TAMはやたらと楽しんでいたが、TAM嫁もmiaと同じく光の反射がよく解らず、「えー? えー??」とぼんやりした感じやった。どうやらこれは女性に全然受けないゲームぽいぞ。コンポーネントが可愛いので、女性に受けるだろうと出してきたら失敗する。ムゲンもそれで失敗したw 男の子とやるべし。所詮、女にゃ、正確無比に反射に反射を繰り返す光のロマンが解らんのじゃ。

gioco del mondo