ボードゲームワールド紹介

駿河屋で購入
お坊さんでボードゲームジャーナリストの小野さんが書いた本を一応わしも載ってるという事でスモール出版の方から送って頂いた。
良かったら紹介してくださいねと言われてたのだが、忙しいのと重なりすっかり失念してしまった。結構売れてるようなのでそのままほったらかしでええかなと思ってのだが、作者本人からお願いしますと言われたので慌てて書いてみた。

ボードゲームの本といえば、安田均の本がオリンピックくらいの周期で1冊出るくらいだったが、近年ぼつぼつと出るようになった。昔の感覚で換算すれば、500年くらい経たないとこれくらいは揃わない。しかも安田均オンリーから世代が変わり別々の作者から出る事が多い。なんか時代が変わったなあという感じ。

当然、そういう事からどの本もカタログ本と化して似たりよったりなところがあり、差別化が難しくなってる。わしも最初は珍しい事もあり出るたびに喜んで買うてたが、どうにも紹介されるゲームといい変わり映えしないので買わなくなってた。この手の情報はインターネットでそこらに手に入るからだ。そこでこのボードゲームワールドの登場である。

絶版のゲームやったり、同人ゲームやったりと、ターゲットは中級者以上というのが今までの本とは違っている。しかもその視点がトイレやグルメ、死といった変わった角度から当てられているので、わしみたいな人間でも「いったい、どんなゲームを紹介してんねやろ」と興味を駆られてしまった。

我が家でそう思ったのはわしだけではなく、うちの嫁がこれを読みたいと持っていってしまったところだ。
今までボードゲームの本にはまったく目もくれなかったのだから、この視点、なかなかやる。
後日、話をきくと、小野さんの嫁のコラムが非常に面白かったらしく、なんだか色々と共感できるそうなw

暴露してしまうと小野さんの文体はやや堅く、今までの本もパラパラと読んだ事もあるのだが、(ジャーナリストという立場上しょうがないのだが)杓子定規な文章が書かれているだけがしてあまり面白いとは思わなかった。
しかしこの本に限っていえば、作者が実に楽しんで本を書いてるなと思った。文章に魂が感じられるので、読んでる方も非常に楽しく読めるのだ。

最初に中級者以上をターゲットと書いたが、ここにきて、これは初心者でも楽しめる本という認識に変わってきた。別にそのゲームをやらなくても知らなくても読み物として十分に楽しめるのだ。
例えばこの業界で有名な人の対談などは本編以上に面白い。気がつくと、最初から最後まですべて読み切ってしまった。ボードゲームの本に限っていえば安田均のボードゲーム大好きとゲームを斬る以来の完読である。

gioco del mondo