Tanja & Sara Engel

Zoch

2〜6人
60分

地獄の釜

駿河屋で購入
ひひひ、地獄の釜をご存じか?
石炭を放り込んでぐつぐつとお湯を煮えたぎらせる。
そうやってお前を煮込んでやるのさ。

プレイ感

タナカマがひたすらステマをしていたという噂の地獄の釜を持ってきた。とはいってもメビウス便なので、テンデイズがステマしてもしょうがないな。タナカマ夫妻、COQ、miaとの5人プレイにて。


まず最初に、全員、石炭の数字を足してこれくらいは出るだろうという数字をチップを握りしめて一斉に出す。
で、スタートプレイヤーから、地獄の釜に伏せられた石炭タイルをめくっていく。石炭タイルには10、20、25、50、75、100の数字と悪魔のマークが描かれ、それを足していく。悪魔のマークが出るか、自分で辞めるまでめくり続けるのだ。悪魔のマークが出たらバーストで0になる。それを各自1回ずつ行う。

で、誰かの数字が自分の最初に賭けたチップ以上なら勝ちで、チップが倍になる。ポイントは”誰かが”である。自分じゃなくても良いのだ。更に今回一番大きなチップを掛けたプレイヤーが勝ったら3倍となる。それ以外は負けでチップは回収される。

またボーナスとして、一番たくさんの数をめくったプレイヤーと、一番合計値が高かったプレイヤーは50貰える。これらは全てトップタイあり。罰則として、チップが単独ビリのプレイヤーがいる場合、悪魔のマークをめくったプレイヤーはそのプレイヤーに50支払わなければならない。

これが終わると、現在の持ちチップの数をこっそり数えて、得点マスにある自分のマーカーを移動させる。

わし「なんやねん、このざっくりとした得点マスは!」

タナカマ「このゲームのミソなんですよ。超ざっくり。大体この辺というとこにマーカーを置きます」


この周りの得点ボードのざっくりさに驚き。今までこんな適当な得点マスはなかった。すげぇ
チップはポーカーチップのような素晴らしい出来。

最終的に誰かが1600以上獲得したら勝ち。

タナカマ「1300から1600の場所でどう攻めるかがキモなんです。刻むのか、一気にいくのか」

とりあえずますは、全員一斉にチップを賭ける。

わしは初見だったので70だったが、タナカマとかは150とか賭けてる。

(むむ、それくら余裕なのか?)

そしてめくっていくと果たしてそれは優に達成できた。

大きな掛け金が成功したという事は小さい掛け金は全て成功するという事だ。


150成功。つまり150以下の人は全員賭けが成功ということだ。

このシステム最初、おかしいなと思ったが、実は全然そんな事はない。

タナカマ「結局、掛け金がでかい人は自分で引くしかないんですよ。皆、自分の金額を達成すると辞めちゃうので」

その理由で、一番大きな金額を掛けたプレイヤーは成功すると3倍になる訳だ。これはいわば冒険代金というべきボーナスである。

そして手に入れたチップをこっそり数えて、得点ボードの駒を動かす。
めっちゃ、ざっくりw


これがバーストの悪魔のマーク。

めくった石炭タイルは、そのまま除外して第2ラウンドを開始する。

ここでわしは前にあんなけ行った訳やから、今回も150くらいでるやろとチップを賭けた。

熟練のタナカマとCOQは少なめ。

あ、れ?

そう、前にごっそりとでかい数が出てしまい、悪魔のマークも大量に残っているというところをしっかりと計算にいれたからだ。

このラウンドでチップを失うわし。

なるほど。

こうやって徐々に石炭タイルがラウンドを重ねる毎に少なくなっていく。
前にどれくらい出たのかをしっかりと見極めて掛け金を決める必要があるのだ。

石炭タイルの補充は、石炭タイルが釜の入り口以内に収まった時行う。取り除いた石炭タイルを裏向きにしておき、混ぜる。
これが釜のイメージそのままぴったりで、石炭が少なくなってきたから、放り込む作業そのものだ。

初回は前にやったように大きめの数字で勝負。

こうやって進めていったのだが、タナカマがぶっちぎりの様相で1300から1600のマスにまで進出した。


タナカマが先頭。ちなみに6人までしか出来ないと書かれているが駒は何故か8色ある。好きなのを使えという事らしい。
石炭は、真ん中の赤い場所内に収まったら、ラウンド終了時に補充する。

わしはmiaと最下位争い。

ここでわしはギャンブルに出ることにした。悪魔が十分取り除かれたところで、250という大金を賭けた。

タナカマ「うおお!」

そして強力な引きで、見事成功!

3倍になり、一気にトップ争いに躍り出た。


決まった!

わしの隣には乞食miaとゴールドフィンガーCOQが居る。

単独最下位だと、悪魔を引いたら50をべべのプレイヤーに渡さなければならない。

ここに常に単独最下位miaとゴールドフィンガーCOQとの鬼コンボが炸裂する。

COQ「よーし、引く!」

ゴールドフィンガーが指をぽきぽき鳴らす。

まさか、あの伝説のAV男優加藤鷹を彷彿とさせる技が炸裂し、100を引かれてしまうのか!?


まぶしく輝くゴールドフィンガーの手を刮目せよ!

COQ「悪魔でした。。。」

mia「じゃ、50頂戴」

再び、ゴールドフィンガーCOQが立ち上がる。

虎視眈々とトップ争いをみていたCOQが、再び指をぽきぽき鳴らし、自身トップ賭けの200を引きに掛かる。

かつて数々のAV女優たちをいかせまくったあの指がとうとうここに甦るのかァァァ!!

COQ「悪魔でした。。。」

mia「じゃ、50頂戴」

COQ「えー、ちょっとおかしいですよ、これ」

ゴールドフィンガーCOQ、彼は伝説のAB男優(アダルトボードゲーマーの略)なのだ!


ゴールドフィンガー、またしても悪魔。ここまで引っ張ってきた時はかなりの盛り上がり。

そうこうしているうちにわしもタナカマと同じゾーンまでたどり着く。
何故か、タナカマは、ここにずっと留まっているのだ。

タナカマ「ここからなかなかあがれない」

業を煮やしたタナカマは一気に勝負を賭けようとして、失敗し、大きく後退しトップ争いから脱落。

タナカマ「わー、陥落」

トップに躍り出たわしはここで一気に決めようとギリギリ1600を超える賭けをする。

しかし、ここで痛恨の悪魔。

mia「じゃ、50頂戴」

なんか腹立つなー。なんでこいつ50で荒稼ぎしとんのに基本べべやねん!

わしも一気に順位を落とし、その後何度もトップが入れ替わり立ち替わりして、とうとうタナカマ嫁が1600を突破して勝利。

所要時間60分


最後はタナカマ夫妻の同時ゴールで、タナカマ嫁がチップを上回り勝利。

AB男優COQのコメント

前にやったときは、まあまあという評価でしたが、今日はかなり楽しかった。でも、今回なんて書かれるんやろと不安です。【答】AB男優

ソマーリオ

タナカマが去年ずっと一押ししただけはある。一見すると普通のバーストゲームなのだが、ざっくりとした得点マスと石炭タイルの補充タイミングなどで、どこで勝負を賭けるかなど作戦を練って遊ぶ事が出来る。

得点マスは、誰が現在どのくらい持っているのか何となくは解るが、計算できなくすることでラストの掛け金のコントロールを出来なくしている。もちろん勝った負けた等はオープン情報なので暗記しとけばばれてしまうが、普通の人ならさすがにそこまで暗記できないだろう。もうひとつ、最下位プレイヤーを決めるのにも一役かっている。正確な得点に関係なく同じマスなら同点となるルールなので、単独最下位になるのは意外と難しい。
そして単独最下位がいる場合の悪魔の罰則は結構痛いので、ここでも作戦を練らなくてはならなくなっている。

まさかこんなざっくりした得点マスがあるのかと驚いたと共に、非常に効果的にデザインされていると感心した。唯一の弱点は、毎回毎回、自分のチップを数え直す必要がある事だ。ちょっとめんどくさい。

石炭タイルの補充タイミングも非常に効果的にデザインされている。100や悪魔のタイル枚数を覚えるのはそれほど難しくはない。それが切れた枚数に応じて掛け金を考えればいいのだ。一見無謀とも思える一気に勝負出来るタイミングがある。

総じてこのゲームはタイミングを計るゲームだといえる。

コンポーネントについては、ツォッホらしく抜群の品質を誇っている。
手に馴染む石炭タイル、掛け金のチップはずしりと重くカジノで使うポーカーチップと同等の品質である。逆にチップのデキが良すぎて、手で隠しきれないのだ。でも、それもまたざっくりしたこのゲームにはよく似合う。
石炭補充なんかはテーマにばっちりで、絵柄や数字のデザインも素晴らしい。

このゲームの唯一の欠点は、内容の割にプレイに意外と時間が掛かってしまう事があるところ。最後のマスからのスパートに時間が掛かるのだ。今回のプレイでもかなりトップが入れ替わってようやくゴールした。もちろん、今回はたまたまで、すっと決まるケースの方が多いかも知れないが、そこが気になっては付けなかった。この内容なら40分くらいで終わって欲しい。無理をせず刻むのがお勧めである。

gioco del mondo