Antoine Bauza

ホビージャパン
Don’t panic games

2〜5人
30分

進撃の巨人

駿河屋で購入
私が調査兵団の団長、エルヴィンだ。
今日は諸君らに正しい敬礼の仕方をレクチャーする。
諸君らにはこれを完璧にマスターしてもらい、今日から立派な調査兵団の一員として活躍してもらいたいと思う。
「総員、心臓を捧げよっ!」
「ハッ!!!」

プレイ感

原作ものをボードゲームデザイナーのボザが手がけた。しかも日本の漫画界で人気のある題材、あの進撃の巨人である。それだけで、速攻予約した。
mia、コタ8歳との3人プレイにて。


このゲームは、巨人側と調査兵団側に分かれて戦う。調査兵団側は協力プレイだ。
そういうゲームなので手番という感じではなく各フェイズごとにアクションを行っていく。
最初は巨人がアクションカードを1枚を表向け、1枚を裏向けにして出す。
調査兵団側がそれぞれ5個のサイコロを振る。サイコロは何度でもいくつでも振り直しができるが巨人マークが出たら、巨人プレイヤーにサイコロを渡さなければならない。

巨人は巨人マークを使って、特殊能力を発揮してよい。その場合さいころは、再び調査兵団側に戻し、さいころを1度だけ振れる。
それからまず表向きの巨人アクションを実行するか、調査兵団がサイコロを使ってキャンセルするかをする。次に裏向けのアクションで同様に行う。
最後に調査兵団側が残ったサイコロを使って巨人を攻撃したり、移動したりして1ラウンドが終了する。


38cm級の巨人フィギュアが圧巻! 巨人の下には一般市民マーカーがある。足元が0で、124678階層が巨人、35は城壁となっている。

最終的に巨人はすべての一般市民マーカーを食べつくすか、砲台をすべて破壊するか、調査兵団側キャラクターを一人殺すかしたら勝ちで、調査兵団は巨人を殺せば勝ちだ。ただし巨人は原作通り、ライフをゼロにしても死なない。殺すには瀕死の状態にしてから、戦術カードで巨人のうなじを切り落とさなければならない。

このゲームでは巨人も調査兵団側にもキャラクターがいて、能力が異なる。
わしは最初なんで、標準タイプの巨人を選ぶ。コタとmiaは進撃の巨人を読んでないのでわしが勧めた。


一人に付きサイコロ5個。ライフは3で、キャラクターごとに特殊能力がある。上に見えるのは戦術カードで、調査兵団の強力なコンビネーションプレイを行う条件が書かれている。

わし「リヴァイがなんといっても強いんちゃうか? それとミカサやな」

mia「そしたらミカサとる」

わし「あ、考えたらミカサときたら、エレンやわ。主人公やし」

miaがミカサ、コタがエレンとなった。

※これは後日ふうかさんのTwitterで分かったのだが、リヴァイは強すぎるので調査兵団が二人のときは使わない方が良いという記述がある。

まずは巨人のわしがアクションカードを2枚選ぶ。

(うーむ、どれにしよかな。あ、ここで上に登ってる奴らをおろしてどかんといってやるか)

そして調査兵団がサイコロを振る。

巨人が出るたびにわしがもらえるのだが、なんかふたりともよく分かってなかったので、振り直しをほとんどしない。巨人なし。


アクションカードは1枚は表、1枚は裏にして出す。巨人の目のサイコロを奪い、巨人カードに描かれている特殊能力を発揮しても良い。その場合は、サイコロを調査兵団に返す。巨人は4体おり、特殊能力が違う。

で、巨人のわしのアクション。

わし「あ、あれ? なんかちゃう」

調査兵団より先に巨人がアクションをするので、上にのぼってきたところを叩き落として、ぐわぁーってできない。

アクションが嫌だとサイコロを使ってキャンセルできるのだが、そもそも大外れなので、調査兵団側もキャンセルせず。

空振り。


アクションカードの一番下にキャンセルできるサイコロの目が書かれている。どちらも回避2個でキャンセルすることができる。

次に調査兵団が、サイコロを使って登り降りしたり、攻撃したりするのだが

mia「あれ、こっから攻撃できないの?」

最初のセットアップ位置は城壁で、登り降りすることで巨人に張り付けるようになっている。巨人に張り付かないと剣マークによる攻撃はできない。

サイコロの目は以下になってる。
剣…巨人に1ダメージ(巨人から)
大砲…巨人に2ダメージ(城壁から)
立体機動装置…1段階登り降り
回避…キャンセルするのに使う
盾…キャンセルや戦術カードをめくる
巨人…巨人が使う

今回miaもコタも立体機動装置マークがないので城壁から移動できず、また大砲もないので何も出来なかったのだ。

高さは、0から8まである。そのうち3と5は城壁だ。

まったく無意味な第一ラウンドやった。

次のラウンドでは、さすがにこれを考慮した。

わし「よし、じゃあ、巨人マーク4個使って人間食う」

標準タイプの巨人の特殊能力は巨人マーク2個で人間を食べられる。ただし特殊能力を使うとサイコロは再び調査兵団の元へ戻る。

mia「じゃ、ミカサの特殊能力で、2回攻撃を3回使って6ダメージね」

コタ、エレンは原作のエレンのように、オタオタとしてる。

コタ「砲撃」

2ダメージ

ミカサがおるとあっという間に巨人の体力は削られてしまう。

しかし、体力復活のアクションを使って、徐々に戻していく。というより巨人はライフが0になっても死なない。

もうあと一人食えば、全員、食い終わって巨人の勝ちだ。
しかし、このまま圧勝で終わっては面白くないやろということで、手心を加える。

mia「巨人を殺すにはどうするんやっけ?」

わし「ライフを3以下にして、うなじ斬りか殲滅の戦術カードを使わんとあかん」

戦術カードは連携プレイの特殊効果で、一番上の1枚だけが使用可能だ。巨人に大ダメージを与えられるが、キャラクターに条件があり、それを満たさないと発動しない。その中に眠っているのがうなじ斬りと殲滅である。出すには、盾サイコロを使って1枚ずつめくっていかなければならない。

mia「出た!」

本来は条件が3つあるのだが、二人しかいないので2つの条件を満たせばよい。

mia「じゃあ、レベル8に登って、うなじ斬り!」

巨人「ぐわぁ」

調査兵団の勝利!


うなじ斬りの条件はレベル8とレベル6にいる調査兵団がそれぞれ攻撃2個、回避2個を持っており、巨人のライフが3以下になったときだ。二人プレイのときは2つを満たせばいいのだが、うなぎ斬りと殲滅だけはレベル8は満たしていなければならない。

終始押しまくってたので、この結果には驚いた。手加減せんかったら勝ってたんやけど。

所要時間30分


残り砲台2,市民1やったのだが手加減したせいで負けてしまった。

なんかよう解らんかったので、まったく同じキャラでもう一回やった。

ここでも巨人が負けてしまった。

ミカサ強すぎ。
ライフがばんばん削られてしまう。

ソマーリオ

進撃の巨人の1シーンをよく再現していると思う。あくまで1シーンのみの再現なのでゲーム自体に深みは感じられない。RPGのマスターとプレイヤーが1回の戦闘をやっているようなイメージである。

もう少し調査兵団の人数がいると、色々と連携が出来て臨場感が更に増すように思う。

キャラクターはそれぞれの個性が出ており、原作モノとしては合格点。巨人も4種類いるのも良い。

コンポーネントはこのゲームの欠点のひとつ。厚みのある紙を使っているのだが、ふかふかしており、巨人を組み立てる時にダメージができる。特に台座の部分はめくれる。一旦組み立てて置いておきたいのだが、収納箱がそういう構造になっておらず、分解しないと入らない。数回やったら、ダメージが大きくなりすぎてゲームできんようになるんちゃうかなと危惧するレベル。

もうひとつの問題は、ルールブックが非常に不親切ということ。写真を見ての通り、ボードは組み立てなければならないのだが、その組立図が一切載っていない。巨人は組み立てるんやなと解るが、城壁の方は「え? これ組み立てて使うの?」という構造なので、どうやって組み立てるかさっぱり解らないのだ。

巨人に組み込む足場の数字の意味も順番に小さい数でいいのか書いていないので、これルールブックじゃなくて概要説明書なのか? ルールブックと組み立て設計書を探したくらいだ。足場というルール規定がきちんと記述されていない。

結局、右往左往しているうちに外箱の裏面に組み上がった鳥瞰図が載ってたので、それを元に組み立てた。Twitterで、欠品かとつぶやいたらふうかさんがうちのも入ってなかったと返信があった。
1度やってしまえばどうってことないけど、これは不親切が過ぎるぞ。こんな酷いのは初めて。

まあ進撃の巨人という今ホットな原作モノを、一流のボードゲームデザイナーが作った。その事実が大事なんかもな。戦術レベルでの再現性は高いので、進撃の巨人が好きな人ならやってみて損はない。ゲームプレイそのものは問題なく楽しめる。

gioco del mondo