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Elwen
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ホビージャパン
Czech Games
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1〜4人
90分
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アルナックの失われし遺跡
拡張1
拡張2
無人島アルナックで、守護者に立ち向かい、島の秘密を手に入れろ!
三日目 ―― 何もない海を探し続ける実りのない二日間を過ごした後、
きらめく波間にようやく見分けがつく地平線のわずかな影に、
希望の光が差したような気がした。
近づいていくと、鮮やかな赤い鳥が我々の船に向かってきた。
そのさえずり声は、我々を歓迎しているようだ。
航海士は海図をみながら、ここはまちがいなく未知の島だと断言する。
その言葉は、我々全員が密かに共有していた仮説を裏付ける物だった
―― 岩だらけの台地、そして生い茂るジャングル!
―― こここそがアルナックに違いない!
プレイ感
まさに男が好きなテーマで、レイダース好きなら間違いなく気に入るのだが、なんだかルールを読むのが面倒でそのままほったらかしにしてた。どうせ、またストーリー系じゃないかと勝手に思っていたのだ。ホビージャパン発売ということで例のあの人の訳かというのも、理解すんのがしんどそうと思ってた。拡張の2つ目が出たので意を決して読んでやることにした。
そーじろ9歳、コタ13歳、miaとの4人プレイ。なのだが、反抗期真っ盛りのコタとはやるやらないで揉めまくって、ゲームやらんのんやったら家出ていけ! とまさにボードゲーマー一家ならではのブチギレで、4人プレイとなった。ボードゲームやらん奴は我が家には要らん。
最初にあんなふうに書いたが、このゲームはストーリーゲームでもなく、ルールの元々のライティングが良かったのか、例の人の訳も全然悪くなくてすんなり入っていけた。起動っていうのは違和感あるけど、まあ、なんとか意味はわかった。ボードゲーム界隈では、起動ではなく、アクションを実行すると訳すもんやけどな。
ボード全景。上にアイテムカード、中央の探検場所は上下段に分かれており、難易度が違う。一番下は最初からいける場所。
右側は研究マスとなっている。
さて本題に入る。
ゲームを知ってる人にイメージしやすいように、このゲームは2駒を使ったワーカープレイスメントで、それにデッキ構築が加わったシステムだ。
このゲーム、セットアップが結構面倒なのだが、それはルールブック通りに配置すれば良い。ひとつだけ、場所タイルは最初はすべて裏向けの山でいい。一番下の場所Hはボードに直描きされてる。
各自、最初は6枚構成の同じデッキを持ち、5枚を手札にする。
手番はメインアクションを1つだけ行えるが、稲妻マークのあるアクションはフリーアクションとして何度でも手番中に行って良い。
メインアクションは、発掘する、新しい場所を発見する(わしらは探索と呼んでる)、守護者を撃退する、カードを購入する、カードプレイする、研究するのどれか一つだ。
ワーカーを配置するには表記の移動コストがかかり、それは足、車、船、飛行機として描かれている。移動力はカード左上に描かれているので、それで支払うことが出来るが、上位互換となっており、飛行機はどの移動コストでも賄える。
ちょっと分かりにくいのは、ワーカーを配置して実行するのと配置しなくて実行できるメインアクションがあることだ。発掘、新しい場所はワーカーを配置する。
最初からいける場所は一番下のゾーンでボードに直描きされている。最初の人は足1で済むが二人目は足2必要である。3人目はおけない。
基本的に、おいたら、そのマスに描かれたモノをゲットしていくだけだ。
こんなレビューを読むよりもルールブックを読んだほうが分かりやすく書かれているので、詳細は省くが、基本的に移動させて資源駒やお金をゲットし、その資源駒を使って、研究マスを進めていく感じである。
例えば、新しい場所を発見するには、移動コストを支払ってそこにワーカーを置き、場所タイルをめくって配置する。置かれた偶像(勝利点3)とそこに描かれた資源駒をゲットする。また守護者タイルをめくって配置する。この守護者タイルはラウンドの終了時のワーカー回収時までにやっつけないと、恐怖カードが1枚デッキに追加される。やっつける方法は、表記の資源駒を支払うだけだ。
撃退した守護者タイルを受取り、ゲーム中1度だけ表記のアクションを実行できる。このタイルは勝利点5点である。
研究マスは、虫眼鏡と本の2駒あり、虫眼鏡を超えて本を動かすことはできないという制限はあるが、これまた表記の資源駒を支払う事で進めていくだけである。ゲーム終了時に、ボードに記載の勝利点が入る。なお、このマスを進めることで、助手を雇えるようになり、さらに助手が進化したりもする。
研究マスは、資材を支払うことで、虫眼鏡と本を上にあげていく。
上の方では勝利点が入るので、最終ラウンドはもっぱらこれを行うことになる、というのを2回目のプレイで分かった。
じつはこの研究マスはリバーシブルになっており、拡張1ではさらに2枚追加されるので、雰囲気が変わる。
カードの購入は、アイテムカードはお金で、遺跡カードはコンパスタイルで支払う。アイテムはデッキの一番下に入れるが、遺跡カードはすぐに無料でアクションを行う。ただ今後、手札から使う場合は、コストを支払う必要がある。どちらも即座に補充を行う。
カードプレイは、カード左上に描かれた移動力を使わず、カード本来のアクションを実行することだ。カードはどちらかしか使えないことに注意する。恐怖カードなんかは移動力としか使えない。初期手札はフリーアイコンがついてるので、ドバっと出せてしまう。
移動力として使ったカードやプレイしたカードは自分の捨て場におき、ぐるぐると手番のたびにアクションを行うのだが、やることがなくなったらパスをしてこのラウンドを抜ける。
フリーアクションは結構多くて、序盤は実は2、3度回っただけでもうやることはなくなったりする。
カード左上の移動アイコンを使うか、テキストのアクションを行うかの2択で使う。
恐怖カードはアクションがないので、1足の移動アイコンとして利用する。最後に残ると失点になるので、無くせるなら無くそう。
全員がパスするとラウンド終了で、ワーカーを元に戻し(守護者を撃退できていなければ恐怖カードを受け取る)、助手をアンタップし(助手の能力を使うとタップする)、今使ったカードと手札で要らないカードをシャッフルしてデッキの一番下に入れ直し(基本的にカードはすべて使った方が得だ)、月の杖の両隣のカード(アイテムカードと遺跡カード)を取り除き、右に移動させて、カードを補充してラウンドを進める。面白いのは、月の杖の左右で遺跡カードとアイテムカードが別れており、ラウンドが進む事に、遺跡が増え、アイテムの市場が減るのだ。
こうして5ラウンド終了したらゲーム終了で、勝利点の合計が多いプレイヤーが勝ちだ。カードにも得点があるが、恐怖カードは1枚マイナス1点である。そうそう、ひとつ忘れていたが、手に入れた彫像を個人ボードの指定マスに置くことで、アイテムをゲットできるが、その分勝利点が減ることになる。彫像を使わない方が得点が高いのだ。
ワーカーを使う使わないケースと、カードは移動力かアクションのどっちかを使うというのを除けば、ルールは非常にすっきりしている。
というわけでわしがスタートプレイヤーである。先手番が有利なので(最初にいける発掘マスは、一マス目は1足、二マス目は2足かかる)、手番が後ろのほど、最初に貰う資源駒が多くなっている。
金は貰ったがコンパスがないので、そこを1足払って貰いに行く。実はこのコンパストークンはゲーム中、もっとも大事といえるトークンだった。これないとマジでどこも探索できん。
最初は皆、1足でいけるところで資源を取りに行く。
やってる途中で気付いたのだが、資源にはランクがあって、石版→鏃→宝石となっている。それにプラスしてお金とコンパストークンがある。
そーじろ「じゃあ、探検にいく!」
わし「え、もう行けんの?」
探検出来る場所は2箇所あり、下のランクならコンパス3個と移動コスト、上のランクはコンパス6個と移動コストがかかる。
そーじろは最後だったのでコンパスを結構もらえてたので、それを使ってすぐに探索にでたのだ。場所タイルをめくり、守護者タイルをめくる。場所タイルの資源駒を貰った。次のラウンドで守護者を簡単にやっつけてしまう。
新しい場所はタイルを配置して、その上に守護者タイルを置く。タイルに表示されている資源を貰うのだが、守護者はそのラウンド中にやっつけないと、ワーカーを戻すときに恐怖カードを1枚貰うことになる。やっつけ方は表示の資源を支払うだけだ。今回、そーじろはすでに守護者をやっつけた後だが、miaはまだやっつけてない状態。
すでに見つけられた場所に移動させても良いのだが、新しい場所の調査ではボーナスの偶像タイルとこの守護者をやっつけた勝利点(と追加アクション)が貰えるところがミソ。
そーじろ「やったやった」
なんか上手いことやりよんなあ。
そうなるとわしも探検したくなる。わしも探検に向かう。貰える資源は2コンパスか好きなアイテムカードだ。
わし「ラッキー。じゃあ、オウムもらおうかな」
発掘といえばオウムでしょ。
あとで思えばコンパス不足に悩まされるのであれば、コンパスにすれば良かったと思ってる。オウム一度も使わずに終わった。
しかし問題は守護者のカエルである。
カエルを撃退するには鏃と車が必要だ。鏃ゲットの1足マスはすでにそーじろに取られている。泣く泣く2足払って鏃をゲットし、手札から車マークを使ってカエルを撃退することに成功した。カード、使い尽くした。
コンパス2個もいるのか。もっとコンパスに目を向けていれば・・
そーじろ「へへっ」
そして2ラウンド目である。
シャッフルして、デッキの下に戻して、5枚を手札にする。まあ、枚数が少ないので普通にオウムもめぐってくる。
オウム、カードを1枚捨てて宝石をゲットできるが、宝石、序盤使うところあんまないやん!!
この2ラウンド目もそーじろが動いた。
研究をして、虫眼鏡駒を進めたのだ。研究すると助手がついてくる。助手はフリーアクションで毎手番1回使えるので早めにゲットした方が得なのだ。手帳駒を進めないと助手はゲットできないが、そのためにまず虫眼鏡を動かす必要があった。
わしも慌てて研究を開始。今回はそーじろのプレイが非常に上手い。
mia「これ探索しないとだめ?」
わし「まあ、メインテーマやし、そらそうやろ」
守護者の存在と彫像ボーナスが大きいので、すでに探索済みのところではなく新たなところを目指した方がいい。
miaも探索する。
が、コタは探索せず、既存の場所でひたすらコンパスを集めていた。
コタ「よく分からないから、もう、パスでいいや」
わし「は? お前ちゃんとゲームやれや」
不機嫌なままゲームをやってるので、ゲームを理解しようとしない。
とりあえず、再度説明して、今できる事をやらせた。
わし「お前、お金あるんやから、アイテム買うたらええやんけ」
というわけで釣り竿を買う。
この効果を読んで物議を醸す。
アイテムを3ゴールド安く買える。
mia「えー、これ強すぎない?」
そーじろ「ぶっ壊れカードじゃん」
最低でも1ゴールド支払う必要があるという制限がないか、確認する。
そしたらとあるサイトで、一見すると壊れているように見えるが、実際使うとそれほどでもないと書かれてた。
それは後で納得することになる。ラウンドが進むと、アイテムが少なくなって選択肢が狭まるのだ。またデッキ構築といっても、システム上、2,3回しか使えない。
ラウンドを示す月の杖は左が遺跡カード、右がアイテムカードとなっている。ラウンドが進むに従って、アイテムが減り、遺跡が増える構造になっている。
実はこの最初のプレイで忘れてたのだが、遺跡カードは買うたら即座に1回使えるが、アイテムカードはデッキの一番下に入れるところだ。
わしとそーじろが助手を手に入れた頃、miaも、研究に参戦する。
そこから潤沢な鏃を使って、一気に研究リードしだす。
そーじろは探索に向かっては、守護者を撃退していく。
わしもそれを真似て、やろうというときに、とんでもなく相性の悪い守護者が出てきて、危うく恐怖カードを貰うとこだった。使いたくはなかったが彫像を使って鏃を手に入れてなんとかラウンド中に撃退成功した。なんかイメージとして彫像の正しい使い方の気がする。こう、彫像を調べると撃退するヒントが描かれてた感じ。守護者は資源駒の相性によってはどうしようもなくなる時があるのだ。
その頃コタは、コンパスのストックが枯渇するくらい集めてた。オイオイ・・
まあ、ランクの高い探索をするにはコンパス6いるから、それを狙ってるんやろうけど、それでも持ちすぎだ。
わしはコンパス貧乏だったがお金はあったので、飛行機を購入した。これでどこでもイケルデェ、と思ったら、コンパスがないので、上のクラスに行けなかった。オウムといい無駄な買い物をしたわ。
mia「上のクラスに行くのに飛行機マークが欲しい」
せやろせやろ。でも、コンパスもないとどうしようもないんやでぇ。
わしは恐怖カードをなんとかしたくて、恐怖を取り除ける助手にした。
最初に2枚しか持っていないので、手札にきたタイミングで2回発動すればそれで終わりだ。
わしらが1度ずつ上のクラスの探索をやった第5ラウンドになって初めてコタが探索を開始する。でてきた守護者は金目のものを持った猿である。撃退には金貨4枚という、貧乏なコタには絶対無理な奴だ。
わし「こんな奴おるんや」
コタ「終わったわ」
お金請求しよる!
恐怖カードを受け取る。
最終ラウンドの最後の手番はひたすら、勝利点を集めることになる。資源駒は勝利点にはならない。よって研究ができなければ、お金やコンパスを使って、カードを購入するのだ。
そして得点を合計する。得点は特にボーナスとかはないので、単に持っている勝利点を合計すればいいだけだ。
わし52点に対してそーじろは51点と僅差で勝利した。
そーじろ「悔しい! もうちょっとだった」
確かにこのゲームの勝者はそーじろといっても過言じゃないくらい、一番守護者をやっつけている。
コタ「みんな、どうしてそんなに点高いの?」
わし「何点?」
コタ「27点」
わし「しょぼー、そらあんなプレイしたらそうなるわな。探索しない、研究しない」
miaは40点だった。
所要時間90分
1回目はこんなもんでした。皆、研究がまったく進んでない。
そーじろのコメント
面白かった。またやりたい。
miaのコメント
昔のゲームのような感じがしてとっつきやすくて面白かった。
コタのコメント
コンパス集めてる時は楽しかったけど、途中で行き詰ってつまんなくなった。
ソマーリオ
もうちょっと早くにやれば良かったと後悔してる。テーマと内容が非常にマッチしてて、まさにわしらの(気持ちだけ)遺跡探索好きの男としては、まさにこんなゲームが欲しかったというのを具現化してる。
そういえば、昔、同じテーマのゲームを作ろうと思った事があったなあと遠い日を思い出した。
システムとしては中途半端なワーカープレイスメントと中途半端なデッキ構築を利用しているが、どちらもめちゃめちゃ中途半端な割になんかそれなりに機能してたりする。
デッキ構築のどこが中途半端かといえば、手に入れたカードの利用はほんまに数回しか回ってこない。デッキ構築って何度も回すから意味があるので、これはもうデッキ構築と呼んでいいのかどうかすら分からない。
ただ全体的な味付けが非常に上手くて、テストプレイの賜物のような感じがした。
非常に面白かったので、すぐに拡張を購入した。拡張1はプレイヤーに特色を持たせるものとなっており、必須ともいえる拡張とのことだ。
コンポーネントのタイルの作りはしっかりとしており好感が持てる。ただカード類はちょっとペラいのは気になった。
ただこういったレイダースの世界観を再現するにあたり、助手の存在、彫像、守護者などを含めて作りは完璧である。
ドイツゲーム賞受賞だが、この手のはユーザーに人気する。
システムはごちゃごちゃしてないし、プレイアビリティは非常に高い割に現在好まれる潮流にのったテーマをボードゲーム化している。この手のテーマやとルールはもっと複雑であったはずだ。
今度は拡張を交えてやってみたい。
ちなみに拡張のルールはまた酷い文章に戻ってたという。機械翻訳ぶっこんだんか、これ。というか、タイトルもまんま訳して分かりにくいな。アルナック失われた遺跡でええんちゃうか?
再プレイ
翌週、再プレイしたところ、研究なんかできないというのは払拭された。
ただ、最終の5ラウンドは、もうひたすら研究ばかりする流れとなった。やり方を考えれば、なんだかんだと進めることができるので、どうやって資材を手に入れて進めるかのパターン探りのラウンドとなってしまう。
ウイングスパンも最後は卵生みのラウンドになったのと似ている。
このラウンドはパターンを探るためにやたらと時間が掛かるし、やってることはそれほど楽しいもんではないので、ここだけがこのゲームの欠点かもしれない。もうちょっとシンプルに終えてほしかった。
2回目は最終ラウンドに研究がかなり盛んに行われたが、まだ少ない。もっと上にいけるはず。
彫像は使うことで左にある資源を1つ選べるが、(妙な感じだが)最初から持っている勝利点が減る。
助手は研究することで手に入り、毎手番効果を発揮するので早めに手に入れたいところだ。