Jay Cormier
Sen-Foong Lim

Z-man
ホビージャパン

2人
80分

アクロティリ


エーゲ海を舞台に古代遺跡を発掘する2人用の戦略ゲームが登場。

すべては、伝説のミノア神殿につながると言われた簡単な地図から始まった。
君はエーゲ海へと向かい、さらに状況を調査することにした。
そして、この名誉の探索を行わんとしているのは君一人ではなかったのだ……
この航海や発掘は莫大な資金が必要だろう。
資金を供出するため、周囲の島々から資源を集め、資源の乏しいテーラ島に戻す必要がある。
島々を目印にしながら地図をたどり、世間から見放された神殿を見つけ出すのだ。
さもなくば、歴史から君は忘れ去られてしまうだろう。

プレイヤーは手札の手がかりとなる地図に合致するゲームボードを作り上げるために、タイルを配置していきます。
そして神殿を発掘しますが、そこを見つけ出すのが難しいプレイヤーや、
テーラ島からより遠い場所で見つけ出したプレイヤーはより多くの勝利点を獲得できます。
しかし、秘密の目的カードにより、勝者は最後まで誰になるのかはわかることはありません。
神々のご加護と善き風に恵まれますように。

プレイ感

エーゲ海の遺跡発掘をテーマにした二人用ゲーム。地図を作るのが好きなコタ8歳とプレイ。


最初に、目的カードと地図カードをもらう。
目的カードは最後のボーナス得点が書かれている。

手番は、地図タイルを置き、描かれている資源駒を島に、もうひとつ好きな資源駒を別の島に配置する。


個人ボードでは、遺跡の駒数とアクションが描かれている。

それから持っているアクション数に応じて、移動、荷積み、発掘、地図の購入を行う。
移動は、空船なら2移動までできる。
荷積みは、島にある資源駒を船に積むこと。
資源駒は、最初のテーラ島でのみ売却でき、その価格は資源ボードに描かれている。ニーズがあれば高く、ニーズがなければ安くというやつだ。
資源駒は売るのはフリーアクションでアクションに依らない。

ちなみのこのゲームでの資源駒の扱いは金を入手すること以外にない。島から資源をとって、売るだけだ。


資源ボード。閉じられた経済を使っている。山と火山は1つ目は2ドラクマで売れるということ。

発掘はこのゲームの最大のテーマである。地図カードから、どこに遺跡があるかを求めるのだ。

地図には、上下左右にマークが描かれている。そのマークに合致する島の一部に遺跡が埋まっているということだ。
遺跡を発掘すると、個人ボードから遺跡駒をその場所におき、地図をオープンにする。地図の難易度によって、勝利点が違う。


上に植物、左に山、右に火山がある場所に遺跡があるという地図。

遺跡駒を置くことで、アクション数が増えたり、目的カードがもらえたりするばかりか、終了条件はどちらかの遺跡駒を置ききることとなっている。

地図の購入は、元の島で3種類ある難易度の地図を好きなように買うアクションだ。

このようにしてどちらかが終了条件を迎えたときに、後手番プレイヤーでゲーム終了。公開した地図の得点と、目的カードの達成によるボーナスを足して合計で競う。

タイルを配置する。

コタ「火山おいて。もう1個は何にしよかな?」

と、わし、ここでルールをめくる。
というのは、資源は少ないほど価値が高くなるシステムなので、もう1個も同じく火山にしたらええのだ。

果たしてそれが許されるのか確認したが、任意のとしか書かれていない。

わし「うーん、表示資源以外にせんとおかしくなりそうなんでそうしよう」

それから移動して、火山を積む。自作自演である。さらにアクションを利用して、テーラ島に戻ってきて売却。

わしも同じようにする。わしの場合は石材である。

そこから、石材ブームが始まった。
なんといっても共通ボードに数が少なければ金額があがるのだ。任意の資材を石材にすれば、お金がわんさかと増える。

なんだ、こりゃ?

そしてあっという間にお金が貯まると、わしは神殿の発掘に着手することにした。簡単な地図からならすぐに神殿が見つけられる。


白の船のところの島で遺跡を発掘。この場所は地図の条件を満たしている。

これでアクション数が増えた。コタも負けじと神殿を発掘してきた。

この神殿の発掘は序盤は楽なのだが、中盤以降が少し難しくなってくる。

というのは、ひとつの島に神殿は1つという縛りがあるので、より遠方の島に向かわなくてはならないからだ。


複雑になってくる地図。ただし勝利点は高くなる。

ここで移動ルールが正直いまひとつ分からない。海路をみると、基本的にどこまでもつながっているように見える。

これを1マスとして移動すると、空船のときに2マス移動できるというルールと整合性が取れない。というわけで隣り合った島に一旦移動しなければならないというルールでやった。

そうすると遠方の島、めちゃ遠い。陸路でないといけない場所もあって大変なのだ。
ここはタイル構成が非常に上手くできていて、分断されるように出来ている。

最初に簡単な地図を使ったが、中盤以降、簡単な地図ではもったいなくなる。合計で7つしか発掘できないので、より勝利点の高い地図で発掘したいのだ。またその頃には、シンボルの数も増えて余裕で発掘条件を満たせる。

2枚目以降は、すべて難しい地図で良いくらいである。

あっという間に、最初に配られた地図がなくなり、購入することになった。
もちろん、簡単な地図は不要だ。


後半はこんな風にボードが広がっている。同じ島には2つの遺跡がないというルールで、こうなっていかざるを得ないのだ。

そこから、コタに先を越されつつも、最後はわしが7つ目の遺跡を発掘してゲーム終了。

地図の1枚差はでかく、わしが勝利した。

所要時間80分


最後に達成したカードのボーナス点をたす。

コタのコメント

遺跡発掘のところが楽しかった。

ソマーリオ

雰囲気もルールも良いのに、なんだか今ひとつな感じ。

ルールは人気のあるところをそのまま取ってつけたように採用したのがそもそもの失敗である。

一番大きなのは資源駒の経済ルール。資源駒は売る以外に意味のないものなので、経済のルールは成り立たない。そこに需要があるとしたら、数多く配置するということだけなので、こんなにたくさんの資源が必要ない。一旦、人気がでたらその資源ばかり配置されることになる。
まったくこのゲームでは機能していない。

移動ルールはわしが間違ってる可能性は多々あるが、なんだかよくわからない。どこにでもつながっているように見える。

タイルは神託によって、好きなタイルが出るまで選べるのだが、ブラインド引きによるメリットがまったくない。なぜなら、相手にタイルを知られることのデメリットが皆無だから、常に欲しいタイルを選べばいいのだ。その結果、ゲームの取り回しが悪くなる。

地図カードのバランスもおかしい。簡単な地図は最初に1枚か2枚だけ使うだけで、残りはダダ余りだ。

コンポーネントは文句なし。船にきっちり3個載せられるように出来ているし、遺跡駒もとても造形がいい。

発掘方法など宝探しっぽくてとても面白いだけにこういったアラがとても残念である。もっと推敲して出すべきだった。

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